展覧会概要
Alt_Mediumでは池上諭・榎本 祐典による写真展「遠吠え」を開催いたします。 池上諭と榎本祐典は東京を拠点に発表を続ける気鋭の写真家です。池上は日本を徒歩で縦断しつつ、その途上で出会う、地名によって括り難い、事物や光の姿を撮影し 2014 年度三木淳賞奨励賞を受賞しました。榎本もまた、既に他者によってパッケージングされた土地ではなく、そこから零れ落ちるような名付け 難い場所で、心象と物的な世界の重なり合いを見出すように歩き撮影を続け、都内ギャラリーを中心に作品発表を続けています。
二人は、カラーフィルムとB/Wフィルムという表現手段の違いを持ちながらも、その撮影スタイルが、 日常から離れた土地にて遭遇した光景をスナップシューティングで捕えるという点において、相通じる姿を持っています。本展「遠吠え」においては、池上と榎本が互いの歩みを確認し、それを組み合わせることによって、新たな視線を構成します。
ただ一人の旅を続けながらも、共に歩み得る思想を持った二人の歩行者の、束の間の結節点となるでしょう。
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それぞれが中心を離れて、便利さを遠ざけながら進む。
一見、関連性のない時間と場所でも2人の意識は時に交じり合いそれを凝視する。
日本各所に点在した縁もゆかりもない場所に身を預け、土地勘が働かないこの場所では太陽の高さと時刻で大雑把な方角を定めてみた。
次第に人家は疎らとなり空は広がる、自然と営みとが均衡していき私達もそれに心地よく馴染む。
なぜ、私達は都会に住みながら地方を目指すのか、なぜ此処でシャッターを押したのか。
ふとそう思った瞬間、ただ静まり返った場所に微かに聞こえた遠吠えは 2 人同じものだったのかもしれない。
−池上諭、榎本祐典
プロフィール
池上 諭 / IKEGAMI Satoru
1984年神奈川県茅ヶ崎市生まれ
2010年東京造形大学卒業 、日本徒歩縦断
個展
2017 | 「蜜柑が赤く熟れる時分」(epSITE / 東京) |
2016 | 「Banana Peel New York」(キャノンギャ ラリー / 東京、大阪、福岡) |
「SLOUGH」(247photography Roonee / 東京) | |
2014 | 「目の前の山」(ニコンサロン / 東京、大阪) |
「羊蹄の西庭」(gallery 福果 / 東京) | |
2013 | 「SLOUGH」(新宿コニカミノルタプラザ / 東京) |
グループ展
2014 | 「NODE」(アイデムフォトギャラリー・シリウス / 東京) |
「NODE vol.2」(目黒区美術館区民ギャラリー / 東京) |
受賞歴
2014 | 第16回三木淳賞奨励賞 |
プロフィール
榎本 祐典 / ENOMOTO Yusuke
1986年東京生まれ
2010年東京造形大学卒業
個展
2016 | 「砂塵が過ぎて」(プレイスM / 東京) |
2015 | 「浮遊漂砂」(オリンパスギャラリー東京 / 東京) |
2013 | 「hyperthermy」(新宿コニカミノルタプラザ / 東京) |
2010 | 「Sorry,I am a stranger here.」(TOTEM POLE PHOTO GALLERY / 東京) |
ほかグループ展等多数出展 |
収蔵
清里フォトアートミュージアム
「遠吠え」
池上諭|榎本祐典 二人展
2018年4月12日(木)~17日(火)
12:00〜20:00 ※最終日17:00まで