exhibition

current

2025年10月23日

三好祐介 個展「REMNANT16」

国道16号線は、24時間絶えず自動車が行き来する道でありながら、人の記憶に残らない無意識の場所として存在している。 国道16号線とは神奈川県横須賀市から千葉県富津市まで、首都圏を囲む総距離約340kmの環状線であり、これはその一部区間である千葉県野田市から八千代市周辺に至るまでの記録となる。 始点の横浜から横須賀、キャンプ座間のある相模原、村上龍の処女作「限りなく透明に近いブルー」の舞台にもなった東京都福生市などがある南西エリアは、敗戦後に米軍の影響を色濃く受けた歴史の蓄積があり、アメリカンカルチャーが根付いている。 今回撮影した北西エリアは、大規模な物流倉庫などの工業地帯が目立ち、建物間の距離が広く、よりモータリゼーションの影響を感じる造りとなっている。延々と平坦な風景が続いたかと思うと、忽然と大型商業施設が砂漠に点在するオアシスのように姿を現す。週末の午後を過ぎると家族連れのボックスカーが、さらに大きなブラックボックスのようなショッピングモールへと吸い込まれていく。店内では膨大な商品群とあらゆるサービスが整然と配置され、消費者の欲望を満たす。外からは内部の様子が見えず、中からも外の世界が見えない完全に閉じられた空間では、消費することだけが唯一の行為となる。 しかし消費空間の中心から離れてみると、再び空漠とした風景が眼前に広がる。無機的な送電鉄塔がそびえ立つ傍らには廃屋や古い住宅地が佇んでいる。生活の痕跡は見られるが、人とすれ違うことは滅多にない。時折高齢者を見かけるが、社交の場が存在しない道をふらつきながら歩く彼らは、目的を見失って路上を彷徨う孤立した存在のように見える。 はるか先にある次の商業地帯までの通過点となる長い線上には、他者との共同性が排除されたコミュニケーション不在の空間が続いている。

upcoming

archive

rental

一週間:90,000円 / 二週間:160,000円
※各種割引あり

詳しくは直後のread moreをご確認いただき、ご不明な点等ございましたらお気軽にメール(inquiry@altmedium.jp)もしくは直接お電話にてお問い合わせください。
メールでご連絡いただいた場合、一週間以内に折り返しご連絡差し上げます。もし折り返しの連絡がない場合サーバーの不調などが考えられますので、その際はお手数ですがもう一度メールをお送りいただくか直接お電話にてお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。

〔メールでご連絡の場合〕
件名を「ギャラリーレンタル」とし、本文に①氏名、住所、電話番号 ②ご希望の会期 ③作家プロフィールをご記入の上、作品や以前の展覧会が拝見できる画像もしくはWEBサイトをお持ちの場合はURLを記載し送信してください。

よくあるご質問はこちら → Alt_MediumのFAQ 

> read more