展覧会概要
2017年から開始したこのプロジェクトでは、関東平野の周囲を沿うように東京の郊外から山間部へと至る一帯をロードトリップしながら撮影を行っています。
これまでに北関東エリアを中心に、2020年の東京オリンピックを目前にして再開発が進む東京都心とは反対に、時代に取り残され廃墟化したバブル時代の施設、近代化や高度経済成長の名の下に乱開発され環境が破壊されたまま放置された鉱山跡地や石切り場、国をあげての公共工事として現在も進行中のダムの工事現場と周辺の景観、見慣れたはずの幹線通り沿いで不意に目にとまった奇妙な光景などを記録してきました。
東京周辺のいわば境界的なエリアに対して、まずその土地の地理や地質的観点からアプローチし、 近代以降の文化、歴史、政治、経済などの諸側面を踏まえて調査を行う中で、作品制作においては西部開拓期からウォーカー・エバンスらによるFSA、ソーシャルランドスケープ、ニュートポグラフィックス、ニューカラーへと至るアメリカのドキュメンタリー写真の系譜がもっていた批評性や方法論を参照しています。
すでに映画や写真、TVやインターネットの映像など様々なメディアを通して身近なものとして消費されているアメリカ的なイメージですが、それらを東京の周辺地帯をロードトリップしながら探査し、あえてアメリカ的イメージを擬装しその土地に重ね合わせてみることで、新たに顕在化してくるグローバルなものとローカルなものの差異や相似に特に関心を持っています。
また都市部と地方との格差や、経済におけるグローバリズムと政治におけるナショナリズムという互いに相反する事象が二重化している今日的な問題、ポ スト・トゥルースと言われるディストピア的な状況について考察することも視野に入れています。
−石川幸史
プロフィール
石川幸史 / Koji Ishikawa
1978年生まれ
2001年愛媛大学教育学部情報文化課程 卒業
2005年東京綜合写真専門学校 卒業
現在、石川県在住
活動歴
2018 | 「This is not the end.」(JINS渋谷 / 東京) |
2014 | 「This is not the end.」(TAPギャラリー / 東京) |
2009 | 「IRONIC SCENES」(ニコンサロン / 東京・大阪) |
2007 | 「DEADLOCKED」(ギャラリーニエプス / 東京) |
他、グループ展 多数 |
受賞歴
2017 | 「Daikanyama Photo fair competition/Magnfy photo」グランプリ |
「Japan Photo Award」クリストフ ギイ賞 | |
「東川国際写真フェスティバル 赤れんがポートフォーリオオーディション2017」優秀賞 | |
2015 | 「Kawaba New -Nature photo Award」グランプリ |
他、多数 |
Website
http://koji-ishikawa.com/site/home.html
石川幸史 個展「The changing same」
2018年10月25日(木)〜11月6日(火)
12:00〜20:00 ※水曜日休廊、最終日17:00まで