展覧会概要
古野達也は、写真というメディウムを用いて「見る」という行為を問い続ける、気鋭の写真家です。
本展覧会「まなざしの中の静けさ / Silence in a gaze」は、2018 年 10 月に開催された「実在-being-」以降 Alt_Medium での二度目の個展となります。
古野の、探究的とも評すことのできる制作への姿勢と、暗室プロセスから生まれる美しい仕上がりのプリントは、本展覧会で発表される新作にも一貫しています。「事物が “よく見える” とき、そこには「静けさ」が在る」、と古野は独特の、しかし自身の写真への的確な換言とも捉えるべき言葉で表しています。古野の作品は特別なギミックを徹底的に排したようなストレート・フォトグラフィーでありながら、どこか幻惑的であり、かつ奇妙な情緒を湛えているようにも見えます。
この機会にぜひとも御覧ください。
―Alt_Medium
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見ること、感じることの曖昧さへの関心が制作の動機となっています。
作品としてまとめてきた写真を見ていると、何かを発見した時のような喜びを感じます。
同時に、理解されることを拒むような有り様が、私を強く揺さぶります。
幸運にもそういった写真を得ることは、私が生活する世界を見つめ直す契機となります。
当たり前のように目にする物の中に、理解しがたい奥行きがある、
そのコントラストによって、世界が新鮮なものとして目に映ります。
見えているものを当たり前とせず、ありふれた物こそ写真に捉えたいと考えています。
「まなざしの中の静けさ / Silence in a gaze」について
物がよく見えるということはどういうことなのか、と考えながら本作をまとめました。
視界の端に入った物を中心に捉え直す。そして、物の細かいところが見えてくる。
この「物を視界の中心に捉え直す」時、見るという行為そのものに満たされ、
私の中に静けさが存在しているように思います。
私にとって、物がよく見えるということには、静けさがつきまといます。
本作は、その静けさを写真に定着させようと試みたものです。
―古野達也
プロフィール
古野達也 / FURUNO Tatsuya
1981年福岡県生まれ
2004年熊本大学 工学部 知能生産システム工学科 卒業
2010年~カロタイプ フォトワークショップ 白岡 順 講評講座 受講
個展
2018 | 「実在 / Being」(Alt_Medium / 東京) |
受賞
2018 | 「TIFF Open competition」入賞(ポーランド) |
「塩竈フォトフェスティバル写真賞」特別賞 | |
2017 | 「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD」入賞 |
2016 | 第15回「1_WALL」入賞 |
2015 | 第12回「1_WALL」入賞 |
2014 | 第11回「1_WALL」入賞 |
コレクション
フランス国立図書館(パリ・フランス)
掲載
2016 | 「IMA English edition Vol.1」 http://imaonline.jp/imamagazine/english-edition-vol1.html |
「IMA MAGAZINE Vol.15 “STEP OUT ! vol.11”」 http://imaonline.jp/imamagazine/vol15.html |
Website
その他
2019年10月19日(土)14時から古野達也と篠田優(写真家 / Alt_Medium)によるトークイベントを開催します。
入場無料・予約不要ですので、みなさまどうぞ起こしください。
古野達也写真展「まなざしの中の静けさ / Silence in a gaze」
2019年10月14日(月・祝)〜29日(火)
12:00〜20:00 ※水曜日休廊、最終日17:00まで