展覧会概要
長田果純はフォトグラファーとして、様々なジャンルで活躍する中、作品を発表する度に新しい一面をのぞかせてきました。
ありふれた日常でありながら、夢想的で、「ここではない遠い場所」を想起させる写真たち。水面に広がる波紋のような静けさを宿していながらも、そこには感情の機微や温もりが確かに存在していることから、長田が何を軸に撮影してきたかが伝わってくるでしょう。
本展覧会で約3年半ぶりに発表される「平凡な夢」は、彼女がある時から体感するようになった〈浮遊感や離脱する感覚〉そして〈自分を“もう一人の自分”が見ているような感覚〉がきっかけとなり、集積された体験が具現化されて、ひとつの作品群として誕生しました。
長田はこの感覚を「まるで現実の世界が、終わりのない“平凡な夢”のように感じられた」と表現しています。彼女にとってこの時期は、靄(もや)がかったような、深い霧の中をさまよい続ける絶望的な時間でしたが、そうした夢現の精神の渦中で撮影された写真は、どこまでも純心な美しさを帯びたものでした。
そして、これまで疑うことなく続けてきた「写真を撮るという行為」が、改めて自分を救済してくれたと、のちに語っています。
現在まで、写真というメディアを用いて等身大の心の動きを見せてきた長田の作品は、水面の波紋が広がり続けていくように、多くの人々の心を揺さぶり、訴えかける力があります。
日々の経験、そして、出来事に触れることで生まれる断片を、一つずつ拾い集めるように形作られた「平凡な夢」から、たゆたう心の窓辺に差し込んだ淡い光を、作品に没入しながら見つけ出してみてください。
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体を覆う膜に小さな穴があく。
においが、音が、光が、景色が、体内に流れ込んでくる。
平凡な夢から覚めると、光の差す方へと走り出していた。
私はあとどれくらい自分のことを救えるだろう。
-長田果純
プロフィール
長田果純 / OSADA Kasumi
1991年静岡県生まれ。
東京在住の写真家。
14歳の頃から写真を撮り始め、現在はポートレート撮影やファッション、アーティスト写真や映画スチールなど、活動は多岐にわたる。
個展
2016 | 「いまは夜のつづき」(三鷹ユメノギャラリー / 東京) |
2014 | 「透明になることは二度とない」(下北沢アートスペース / 東京) |
Website
https://www.instagram.com/osada__/
会期中イベント
12 月6 日(金)、7 日(土)珈琲ヤマグチが会場でコーヒーを提供します。
*予約不要
トークイベント
12月14日(土)13時から写真家・木村和平氏を招いてトークイベントを開催。
参加ご希望の方は下記フォーマットでギャラリーまでご連絡ください。*要予約(定員20名) | 参加費 ¥1,000-
*定員に達しました。ご応募いただきましたみなさまありがとうございます!
*トークイベント開催中はご予約のお客様以外会場内にお入りいただけません。ご了承ください。
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12月8日(日)18時から写真家・木村和平氏を招いてトークイベントを開催。
*要予約(定員20名) | 参加費 ¥1,000-
*定員に達しました。ご応募いただきましたみなさまありがとうございます!
*トークイベント開催中はご予約のお客様以外会場内にお入りいただけません。ご了承ください。
長田果純 写真展「平凡な夢」
2019年12月5日(木)〜15日(日)
12:00〜20:00 ※水曜日休廊、最終日17:00まで