展覧会概要
服が無くてはならない存在になっている今の時代に、無くてもいい服の存在が多く見受けられることに違和感を抱いています。
でもそれは、服が人々を魅了すると言う裏付けでもあります。
自分のアイデンティティとなる、分身でもある服に愛着を持つことは必然なこと。
服には持ち主の記憶や思い出、その全ての風景を内包していると信じているから。
自身は約7年間アパレルブランドでの販売員を経験し、幾つもの記憶の始まりに立ち会ってきました。
その経験から得た二つの視点について、この7年間で撮影されたスナップ(他者)と、分身である服(自分)に本展覧会ではフォーカスを当てています。
自分の目で見た風景と、他者の目で見た風景は、同じ記憶として重なるのか。
たとえ同じ時を過ごしても、思考や感情、時の流れの感じ方は違ったもの。
もはや他者の風景に自分と言う存在がいないとも考えられてしまう。
それでも自分の記憶には確かに在る。
実態のないそれを実証してくれるのは、自分の分身である服たちなのかもしれない。
自分の目で見たもの、他者の目で見たもの、思考や感情、時の流れの感じ方が違ったとしても、私たちは同じ時を過ごし、同じ風景を見ていました。
プロフィール
小林安祐美 / KOBAYASHI Ayumi
1993年東京都生まれ。
日本大学芸術学部 写真学科卒業。
大学在学中から、人と服との関係性を追求した作品を制作。
品川キャノンギャラリーにて卒業制作 「時を纏う」が選抜され展示を行う。
2017年〜アパレル・セレクトショップにて販売業務、Instagramのフォトクリエイティブやイベント時の撮影を担当。
2019−2020年に単身渡英。ストリートスナップ、アルバイト先のInstagramのフォトクリエイティブなどの撮影を行う。
「人、服、時」の繋がりを辿り制作をしている。
Website
小林安祐美 個展「reflects of memory」
2023年3月17日(金)~22日(水)
12:00〜19:00 ※最終日17:00まで