展覧会概要
動物園とは動物を展示して人間に見せるという場であり、管理する側の人間と、管理される側の動物はへだてられ、檻がそれを象徴しています。
その檻を写真という二次元の世界にさらに閉じこめ、客観的に見つめてみようと試みました。
物質的な檻を注視することによって、動物と檻の関係を現代社会に生きる人間の心の中にもあてはめてみると、何かにとらわれていたり、とらえられていたり、形は様々であっても越えられない、目には見えない檻のような存在があることに気づかされることがあるからです。
動物が感情を言葉にすることができないように、人間も感情を上手く表に出せずに壁を作ってしまったり、あえて目をそむけてしまうことがあります。
しかし、心の中にあるそういった不自然な檻のような存在に気がつくことができれば、檻の外に出る努力をすることができるのではないのでしょうか。
現実の檻から出ることができない動物たちは、そのことの大切さを教えてくれているように思うのです。
プロフィール
棚木晴子 / TANAKI Haruko
埼玉県川口市生まれ
女子聖学院高等学校卒業
女子美術短期大学卒業
日本写真芸術専門学校芸術科卒業
株式会社芳賀ライブラリー勤務
菊池東太写真塾在籍
棚木晴子個展「檻」
2019年3月14日(木)〜19日(火)
12:00〜20:00 ※最終日17:00まで