
展覧会概要
呼吸。
それは、生命の律動が内と外をつなぐ行為であり、
存在がその場に根を張るためのリズムである。
酸素を取り込み、内なる世界へ送り込み、それを放出して外界と交わる。
吸うことは可能性を迎え入れることであり、吐くことは不要なものを手放すこと。
こうして生命は絶え間なく循環し、静けさと活力の間を行き来している。
酸素は見えないながらも確かな存在感を持ち、
体と心を結ぶ大切な要素として存在そのものの根源的な営みを象徴している。
近年、大気汚染が進み、ウィルスが蔓延したことで、その透明な世界を曇らせた。
工場からの煙、車の排気ガス、それらが空気に不純物を混ぜ、無色の酸素の清らかさを蝕んでいる。
澄み切った空を仰ぐ機会が減るほどに、私たちは初めてその大切さに気づき始める。
特にコロナ禍を経験したことによって、無意識に行っていた呼吸をするという行為が意識されるようになり、再び酸素の尊さが浮かび上がった。
当たり前に呼吸が出来る幸せ。
必要不可欠である酸素が空気に満ちている幸せ。
それは、私たち人間が永遠に守るべきものであり、日々感謝すべきものである。
プロフィール
中村 晃 / Akira Nakamura
東京生まれ。
動植物などの生命体を通して、人間本来の在り方を模索した写真作品を制作。
生命体が持つ根源的な神秘さに焦点を当てながら、近年、自身が撮影した写真に展示や数字を暗号化して、それらを融合させた作品なども発表。
写真表現の可能性を広げるべく、さまざまな表現法を実験的に試みながら活動を続けている。
個展
2024 | 「COEXISTENCE 2 DOMINATION」(America-Bashi Gallery / 東京) |
2022 | 「Cryptograph 」(ニューヨーク、アメリカ) |
2019 | 「縞 ZEBRA 馬」(GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE / 東京) |
2018 | 「ZOO OF LIGHT AND SHADOW」(America-Bashi Gallery / 東京) |
主なグループ展
2023 | 「International Fine Art Biennele Basel」(バーゼル、スイス) |
2021 | 「ギャラリーM84 収蔵作品展 vol.2」(Art Gallery M84 / 東京) |
2020 | 「ギャラリーM84 収蔵作品展 vol.1」(Art Gallery M84 / 東京) |
「Independent Tokyo 2020」(東京都立産業貿易センター浜松町館 / 東京) | |
2019 | 「Floating Worlds 2019」(サンタモニカ、アメリカ) |
「LJA 2019」(ロサンゼルス、アメリカ) | |
「-次世代を担う写真家たち- A.W.P Selection 2019」(リコーイメージングスクエア銀座 ギャラリー / 東京) | |
「CP +2019」(パシフィコ横浜 / 神奈川) | |
2017 | 「アートの競演 2017 睦月」(Art Gallery M84 / 東京) |
受賞歴
2020 | 「Independent Tokyo 2020」(タグボート / 東京)審査員特別賞 |
2019 | 「Floating Worlds 2019」(サンタモニカ、アメリカ)入選 |
「東京カメラ部2019写真展」入選 | |
2017 | 「アートの競演 2017睦月」(Art Gallery M84 / 東京)M84賞 |
https://www.instagram.com/lightshadowanimals
中村 晃 写真展「continuum」
2025年4月25日(金)~4月30日(水)
12:00〜19:00 ※最終日17:00まで