久保田智樹 個展「ASHIO 2008/2009」

2025年6月13日(金)~6月18日(水)

展覧会概要

久保田智樹は、自身の故郷である足尾銅山の情景を長年にわたって写真に収めてきた写真家です。2008年より足尾での撮影を重ね、2022年には初の個展「ASHIO」(IG Photo Gallery / 東京)を開催。本展は、それに続く二度目の個展となります。 

写真家・橋口譲二氏は「心は競争ではないのだから、表現は競争ではない」という趣旨のことを語っており、それは久保田の制作活動において大切にしてきたことの一つです。内なる視点から、久保田は足尾という場所を見つめ、自身の写真のあり方を考えてきました。 今回の展示は、初期の作品である2008年と2009年に記録された写真によって構成されています。今後、数年分ごとの作品を順次展示していく予定です。 

かつて東松照明をはじめとする写真家たちが足尾を訪れ、その光景をカメラに収めました。久保田が自身の故郷を写真の主題として捉え始めたのは、そうした時代の熱気が過ぎ去り、足尾への人々の関心が薄れて久しい頃のことです。久保田の意識に深く刻まれた情景の一つに、鈴木清の写真集『修羅の圏』(私家版、1994年)に描かれた足尾の姿がありました。また、石内都の写真、特に写真集『絶唱、横須賀ストーリー』(写真通信社、1979年)や展覧会「上州の風にのって 1976/2008」(大川美術館 / 群馬、2009年)との出会いは、久保田が自身の故郷を写真で捉える強い動機となりました。 

足尾は、かつて日本有数の銅山として栄え、鉱毒事件という負の歴史も刻まれた場所です。 久保田にとって、足尾は自身の原点であり、個人的な時間と記憶が深く重なり合う場所。久保田の作品には、足尾という土地が刻んできた歴史の痕跡と、自身の記憶や時間が静かに写し込まれています。


プロフィール

久保田智樹 / KUBOTA Tomoki

1967年 栃木県足尾町(現・日光市)生まれ
1991年 埼玉大学工学部卒


個展

2022「ASHIO」(IG Photo Gallery / 東京)

出版物

2023『山静まりて』(襤褸書房)
2015『ASHIO』(RED STREAM PHOTOGRAPHY)

instagram

https://www.instagram.com/kubotatom


そのほかお知らせ

展示作品の一部と未展示作品とで構成するとともに足尾略年表を編集収録したZINE『ASHIO 2008/2009』を会場内にて先行販売します。

〔仕様〕
発行:襤褸書房(RANRU BOOKS)
判型:A5
寄稿:金村 修
価格:1,500円(ミニプリント付き)
部数:200部限定


久保田智樹 個展「ASHIO 2008/2009」

2025年6月13日(金)~6月18日(水)
12:00〜19:00 ※最終日17:00まで

【お問い合わせ】

〒161-0033
東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
JR高田馬場駅徒歩7分(下落合二丁目歩道橋そば)
2-6-3, Shimoochiai, Shinjuku, Tokyo, 161-0033

TEL:03-5996-8350
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