
展覧会概要
現代の建物を構成するガラスという透明な壁は、見る視点によってはその映り込みによって特異な光景を生み出している。特に人々や建物の密度が高い都市空間では、現実か否か曖昧な、あるいは合成によって生みだされたかのような光景が、ところどころにひっそりと映り込んでいる。そのなかで人々は常に移ろい、現(うつつ)を彷徨い、重なりあう。
様々なスケールの建物が乱立した結果遠近法を見いだせなくなった空間に、ガラスの鏡面反射が重なる様子は、建物をスクリーンに垣間見る映像そのものであり、わたしたち人間を含めた都市空間が無自覚にも見られる対象であったことを暗示している。
また反射のある光景はときに、文脈を問わず様々な人々を取り込みつつも決してすべてが馴染むことのない、未整理の猥雑さを残した都市の原始状態を映し出しているかのようでもある。そこでは解釈が行き詰まり、そのままとして受け入れるしかない様相が広がっている。
わたしたちの肉眼は図と地といったレイヤーに分けて物事を理解し捉えようとするが、そのようして世界が意味に分化される以前の光景のなかにこそ、豊かな時間が流れている。そうした光景に遭遇すべく、わたしはカメラアイによってキャプチャを続け、均一化したように見える都市のなかで戯れる。
プロフィール
前田 博雅 / MAEDA Hiromasa
1996年 東京都生まれ
2018年 武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業
2020年 東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了
映像が持つ時間軸やフレーム、スクリーン、情報量(解像度)、レイヤーなどから着想した制作を軸とする。近年は都市をモチーフにした作品を中心に制作。現実と虚構の境が失せつつある中、都市空間における反射などの物理現象に着目しながら「アンリアルなリアル」が現れる状況を蒐集・制作することで、おぼつかない世界の危うさとおかしみを探求する。
いずれの作品も「変わらない(ように見える)もの」が実は「常に変わり続けるもの」である様子、あるいはそのような認識を引き起こす時間感覚やプロセスへの関心が背景にあり、それは無常観や色即是空・空即是色といった仏教的な概念への共感によるところが大きい。
都市をモチーフとした制作を続ける中で、場を作る要素としての映像、映像とその周囲との関係へとその関心の幅を拡げている。
グループ展
| 2024 | 「マルチレベル・インターセクション」(DDD ART / 東京) |
| 2022 | 「Post Image」(ASTER / 石川) |
| 2020 | 「アート解放区GINZA」(銀座髙木ビル / 東京) |
| 「MEDIA PRACTICE 19-20」(東京藝術大学元町中華街校舎 / 神奈川) | |
| 2019 | 「岸に立つ」(横浜市民ギャラリーあざみ野 / 神奈川) |
| 2018 | 「平成29年度武蔵野美術大学卒業・修了制作展」(武蔵野美術大学 / 東京) |
| 2017 | 「映像は死んだのか?」(武蔵野美術大学課外センター / 東京) |
アートフェア
| 2025 | 「tagboat Art Fair」(都立産業貿易センター浜松町館 / 東京) |
| 2024 | 「tagboat Art Fair」(都立産業貿易センター浜松町館 / 東京) |
| 2023 | 「tagboat Art Fair」(都立産業貿易センター浜松町館 / 東京) |
| 2022 | 「Art Fair GINZA」(銀座三越 / 東京) |
| 「tagboat Art Fair」(都立産業貿易センター浜松町館 / 東京) | |
| 2021 | 「tagboat Art Fair」(都立産業貿易センター浜松町館 / 東京) |
Website
https://hiromasamaeda.wixsite.com/portfolio
https://www.instagram.com/hiro_maedamaeda/
前田博雅 個展「The Scene Passing By Transparently」
2025年11月28日(金)~12月3日(水)
12:00〜19:00 ※最終日17:00まで

