
展覧会概要
この度鈴木敦子個展「Appear」を開催いたします。鈴木はこれまで記憶の痕跡とその外側にある世界を交差する〝内と外〟の境界から生じる揺らぎを写真撮影を通して作品にしてきました。前作の「lmitation Bijou」では自己と不確かな社会を含む 世界に対しての〝真と偽〟を模索し、その問いかけは変容しながら続いています。
鈴木は自身の作品撮影に対して「撮るというより、その場に立ち会うという感覚に近い…」「そこにあっ た体験を受けとり、ちがうものに変換して記憶に回帰させていくような行為…」と述べています。体験とは人が生きていく中で記憶として積み重なっていく精神と身体のレイヤーであり、その重なりや身体に微かに残る痕跡を通して現在の世界を見つめる事は、鈴木の作品の起点において重要な要素となっています。
今作のタイトルの「Appear」とは〝姿を現す〟同時に〝内なるものが外に表れる〟という意味を持ち、作者の作品に一貫して含まれている記憶と現実世界の狭間のような情景が感じられます。
目の前に確かに在る対象を見つめ、そこから影響を受けた時にシャッターを切ることで、その存在(と不在)を写真に表出する 試みから立ち現れたイメージは、知覚の本質のみならず物事の原初を内包し、意味や情報が瞬時に変換されてしまうこの世界の在り方を問いかけるようでもあります。
プロフィール
鈴木 敦子 / SUSUKI Atsuko
個展
2024 | 「Appear」(トトノエル / 福島) |
「Appear」(京都国際写真祭KG+ / 京都 | |
「Appear」(GOOD NATURE STATION GALLERY / 京都) | |
2023 | 「Appear」(PANTALOON / 大阪) |
2021 | 「Imitation Bijou」(ビジュアルアーツギャラリー / 大阪) |
「Imitation Bijou」(Alt_Medium / 東京) | |
2019 | 「Imitation Bijou」(CANDLE CAFE Laboratory / 東京) |
2015 | 「眩暈」(Prinz / 京都) |
2013 | 「red letter」(Calo Bookshop Cafe/Calo Gallery / 大阪) |
「red letter」(森岡書店 / 東京) | |
2010 | 「夜明けまえ」(企画ギャラリー明るい部屋 / 東京) |
グループ展、イベント
2017 | 「dix vol.02」(QUIET NOISE arts and break / 東京) |
2015 | 「東川アーティストインレジデンス作品展」(北海道) |
2014 | 「旧秋山邸アートプロジェクト」(北海道) |
2012 | 「ヨコハマフォトフェスティバル」(ヨコハマ赤レンガ / 横浜) |
2008 | 「エプソンカラーイメージングコンテスト受賞作品展」(青山スパイラルガーデン / 東京) |
受賞歴
2008 | 「エプソンカラーイメージングコンテスト」写真部門 入選 |
アーティストインレジデンス
2015 | 東川町アーティストインレジデンス (北海道) |
収蔵
東川町文化ギャラリー(北海道) ASIA PACIFIC PHOTO BOOK ARCHIVE(オーストラリア、メルボルン |
出版
2023 | 『Appear』(edition.nord) |
2019 | 『Imitition Bijou』(DOOKS) |
対談イベント ※ 参加費無料、予約制、定員20名
鈴木敦子×伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)
写真集『Appear』の寄稿者である伊藤貴弘さんをお招きして対談イベントを開催いたします。
※ 15:00−15:30は会場設営の為、展覧会をご鑑賞いただけなくなりますこと予めご了承ください。
※ 当日参加も可能ですが予約人数が上限人数に達した場合、予約者を優先してのご案内となります。
〔日時〕
2025年11月16日(日)
受付開始 15:30|開演 16:00、17:30 終了予定
※ トークイベント中は会場の都合により展覧会のみの入退場が出来ませんこと予めご了承ください。
〔ご予約方法〕
参加ご希望の方は下記内容を添えてメールでご応募ください。
件名:2025年11月16日(日)鈴木敦子 トークイベント
内容:①お名前 ②参加人数
※ギャラリーからの返信をもって予約完了といたします。
3日以内にご返信がない場合、サーバーの不調等が考えられますので、お手数ですがもう一度ご連絡いただけますと幸いです。
登壇者プロフィール
伊藤貴弘 / ITO Takahiro
東京都写真美術館学芸員。1986年東京生まれ。2013年より東京都写真美術館に学芸員として勤務。主な企画展に「アレック・ソス 部屋についての部屋」展、「即興 ホンマタカシ」展、「松江泰治 マキエタCC」展、「琉球弧の写真」展、「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」展、「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol. 15」展、「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」展、「いま、ここにいる―平成をスクロールする 春期」展など。女子美術大学非常勤講師。
そのほか
会期中はedition.nordより刊行した同タイトルの写真集もご購入いただけます。

タイトル:『Appear』
価格:3,500円 (+Tax)
仕様:巻子本、270×7000 mm
寄稿:「世界に差し込む光」伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)
翻訳:ツェツシェ・ロバート
デザイン:秋山伸+宮原慶子 / edition.nord
印刷・製本:chiku chiku laboratory kobe
出版社:edition.nord
鈴木敦子 写真展「Appear」
2025年11月7日(金)~11月19日(水)
12:00〜19:00 ※木曜日休廊、最終日17:00まで