渡辺兼人ワークショップ第二回写真展

2022年2月18日(金)〜2月23日(水・祝)

参加作家

石毛健太郎|小野陽平|木村美代子|洸野新|


プロフィール

石毛健太郎 / ISHIGE Kentaro

「untitled」
これらのスナップは2010年代に撮影されたものです。

当時の私は悩みがちでフレーミングし、シャッターボタンを押すという目の前の現実に対して断定を繰り返す写真撮影の潔さに激しく惹かれていました。

断定の連続は自分が強くなった気分にさせてくれましたし、スナップの身体性は無駄に悩む時間を減らしてくれました。そして、何よりも断定の結果として良い写真が撮れた際の麻薬的な高揚感に病みつきになりました。

そうしてスナップは私の日常に組み込まれたのですが、良いと思える写真はそう簡単には撮れませんでした。テーマなどなく、ただ外的刺激に感応して撮る写真が増え続け、ハードディスクの容量を奪うばかりでした。その手応えの少なさに自分の感性や技術を疑い、セラピー的行為だった写真でも苦しみ始めてしまいました。

この時期の写真をどう処理していいか分からず、ハードディスクの中で眠らせていました。過去の展示も別のテーマを立てて実施していました。しかし、COVID-19で大きく変化した社会下で、歳を重ねた私が見返した時、色んな意味で今の自分には撮れない写真と感じ、郷愁のようなものを感じました。自分の中での一つの区切りとして、この今回のグループ展で発露しておこうと思います。

散漫極まりない写真を組写真として提示した際、どのような印象を与えるのか。興味深い限りです。


活動歴

2019渡辺兼人ワークショップ第一回写真展」(GALLERY mestalla / 東京)
2017「Traveling」(Place M / 東京)
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プロフィール

小野陽平 / ONO Yohei

199年栃木県生まれ
2017年東京綜合写真専門学校 卒業


「街の淵」
僕が生まれてから18歳まで住んだ街は再開発され、駅前から工業地帯にかけて路面電車が通るそうだ。慣れ親しんだ光景は帰省する度に変わっていき、まるで限りなく故郷に似ているどこか別の場所に来たかのような感覚になる。おそらく路面電車が完成した街はまた別の、限りなく故郷に似たどこかに変容していて、違和感を感じながらもそれを受け入れていくのだと思う。


個展

2019「migraine aura」(musee f / 東京)
2018「紅い花を食らう」(musee f / 東京)

グループ展

2019「日本デザインセンター画像制作本部 作品展”再生”」(東京)
「第1回渡辺兼人WS展」(Gallery mestalla / 東京)
2017「後藤元洋ゼミ展”ボブ・ディランとボボ・ ブラジル」(Gallery NIW / 東京)
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プロフィール

木村美代子 / KIMURA Miyoko

1965年山梨県生まれ
1985年山梨県立高等看護学院中退。この頃、友人の写真をみて’‘写真’’に興味を示す。
1988年日本写真芸術専門学校(報道写真専攻)修了
1994年東京綜合写真専門学校 研究科卒業


『右岸、あるいは左岸』~風景論的試作~
山梨での移動は、車に頼ることが多くなる。

土手は、信号が少なく、景観も良く、交通の場として好んで用いている。

川の水面より低い土地に建つ家、土手の周りに広がる葡萄畑等々、目の錯覚を認め難く内包して、美しい記憶を蓄積させている。

さて、考察!?


個展

2021「Feeling between A and B ,…」(gallery DEN5 / 東京)
2001「フルーツ・パラダイス」(山梨中央銀行・展示コーナー / 山梨)
1999「日常と其処」(ギャルリ伝 / 東京)
1998「light!」(オレゴンムーンギャラリー / 東京)
1996「夏休み1・2」(ギャルリ伝 / 東京)
1995「掌篇写真展」 平永町橋ギャラリー、東京
「フルーツ・パラダイス」(東川町文化ギャラリー・町民コーナー / 北海道)
1994「Places of Barth(生まれ育ったところ!):夏休み」(平永町橋ギャラリー / 東京)

グループ展

2019「旅と写真の間の夏」/「家族セレモニー2018·2019」”納戸ナーレ”展(gallery DEN5 / 東京)
渡辺兼人ワークショップ展「フルーツ・パラダイスより ”虫と庭”」
(gallery mestalla / 東京)
2014「夏休みⅢ」”Anniversary “展(現代HEIGHTS Gallery Den / 東京)
1999「平成のウロボロスvol.15 CHILD” 展(ギャラリー・ル・デコ / 東京、画廊金龍 / 大阪)
「海を見に行く」”THE LIBRARY 1999″ 展(Gallery ART SPACE / 東京)ほか
「はじめは見えなかった」”視線の記録”展(Gallery ART SPACE / 東京)
1997「light」” chain “展(世田谷美術館・区民ギャラリー / 東京)
「フルーツ・パラダイス」”フランス国立図書館コレクション展1996年”(パリ ・フランス)
「フルーツ・パラダイス」「夏休み」”無意識と眼差し” 展(アルル・フランス)
1994「家族セレモニー」など 研究科展”連辞”(ギャラリー・ル・デコ / 東京)
1993「Places of Barth : Summer Vacations」August Festival
“ Le soleil et derives ” (Huy・ベルギー)
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プロフィール

洸野新 / KONO Shin

1982年東京都生まれ
2015年東京綜合写真専門学校 研究科卒業


「淡き香」
これまでカラーフィルムで撮影しタイプCプリントという手法で写真を作ってきた。

タイプCプリントは、カラーネガフィルムを引き伸ばし機にのせ、シアン・マゼンタ・イエローのフィルターを通してネガの色を補正しながら印画紙に焼き付けるプリント技法だ。露光時間やフィルターの加減で色や濃度を調整していくのだが、プリントをする頃には撮影時に見た色彩の記憶は既に曖昧なもので、作品の意図や自身の感覚といった要素を入り込ませながら被写体への色付けを試行錯誤する。

暗室に籠りプリントをしていると、時折、この自身の意図や感覚から写真をコントロールしようとすることに、ざらっとした違和感を覚えることがある。

ポラロイドカメラはフィルムの端に処理剤が入った袋がついており、フィルムが出てくる際にローラーで袋が潰され、処理剤が印画紙に流れ出て現像、定着がされる。プリントは機械任せであり違和感から逃れるには都合がよかった。

2017年1月、白黒とカラーのポラロイドフィルムをバックに詰め、練馬へと向かった。そこは私が幼少期に住んでいたとされる場所で、当時の住所を一先ずの目標とし、住所を頼りにその場所へ歩みを進めた。その場所に着き、住んでいたのであろう家を探してみたが、もうなくなったのだろうか、見つけることはできなかった。2日間、辺りを歩いて回ったが、幼い時に見たであろう色は戻ることはなく、出会う風景にカメラを向けてはシャッターを切り、フィルムの中で現像と定着を繰り返した。

あれから時間も経ち、白黒に定着したはずの風景は淡香色に染まり、消えた画像の中に何があったのか分からない。ただ、いまこの色が、この風景の色でいい、そう思う。


個展

2017「呼 吸」(MUSEE F / 東京)
2015「Landscape」(MUSEE F / 東京)

グループ展

2019「渡辺兼人ワークショップ展」(Gallery mestalla / 東京)
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「渡辺兼人ワークショップ第二回写真展」
石毛健太郎|小野陽平|木村美代子|洸野新|

2022年2月18日(金)〜2月23日(水・祝)
12:00〜20:00 ※最終日17:00まで


【お問い合わせ】

〒161-0033
東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
JR高田馬場駅徒歩7分(下落合二丁目歩道橋そば)
2-6-3, Shimoochiai, Shinjuku, Tokyo, 161-0033

TEL:03-5996-8350
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