展覧会概要
ゲージとは自分の編み目の緩さキツさを確認する作業のことを指す。
10cm正方の中に縦横何目あるかを数え、自分の編み加減を確認し製図を行う。
2020年4月に、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令された。
私は仕事を休み、自宅待機をした。自宅でほとんどの時間を過ごすようになると、コロナ禍における不穏な日々の心と体の拮抗、内的意思とそれに伴う身体活動をログ化したいと思うようになった。
WEBで編み物の効能について調べた。
「編み物をすると、脳の血流が増加し、前頭前野が活発に活動する。
前頭前野は、想像力やコミュニケーション能力、記憶力を司る。ヒトの思考や創造性を担う脳の最高中枢である」と記載があった。
そこで私は、特別定額給付金10万円を使って毛糸を購入し、2020年4月28日(誕生日)から1年間棒針編みゲージを1日1枚編んで撮影することにした。そして都度撮影した写真 365枚をブロック連結させた。
深夜のテレビでは、信号を測定して品質を保持するために、カラーバーが表示される。
自粛生活の中で、このゲージが私のカラーバーとなった。
そして、繋ぎ合わせることで 1年間における心身のコマンドログが平準化された。
プリント協力:キヤノン株式会社
プロフィール
イシダ マイ / ISHIDA Mai
1974年福岡県生まれ
1997年北九州市立大学文学部比較文化学科 卒業
2018年京都造形芸術大学通信教育部美術科写真コース 卒業
個展
2020 | 「In a Car Washing Machine」(ナダール 南青山 / 東京) |
グループ展
2019 | 「NEW JAPAN PHOTO I NEVER READ」(ART BOOK FAIR BASEL / スイス) |
2018 | 「NEW JAPAN PHOTO」(HOTEL THE KNOT Shinjuku / 東京) |
「写真新世紀展 2018」(東京都写真美術館 / 東京) |
受賞
2018 | 「キヤノン写真新世紀(第41回公募)」佳作 (サンドラ・フィリップス 選) |
掲載
2019 | 『NEW JAPAN PHOTO 8』(EINSTEIN STUDIO) |
Website
イシダ マイ 個展「gauge(2020-2021)」
2022年4月22日(金)〜5月4日(水・祝)
12:00〜20:00 ※木曜日休廊、最終日17:00まで