展覧会概要
qpは2000年代中盤より活動を始め、現在はおもに画家として制作を行っている。
2年前の個展「明るさ」(Alt_Medium)で発表された作品は、独自の手法を用いた、手のひらに乗るような小さなサイズの水彩画であった。
今回の個展「紙の上の音楽」では、それ以降に描かれた新作が発表される。
今作において前面に出されたテーマは、絵における音楽の表現である。
同じ形を並べることによって生成されるリズム。どのような色を、どのような比率で組み合わせるかで変化するハーモニー。全体像を顧みず、瞬間の描画にまかせて生み出されるインプロヴィゼーション。
筆を使わない描画法も特徴的で、その手法によって描かれた丸や半円などの形を並べ、重ねることによって、装飾的な画面が作り出される。
また水彩という、にじみが出来、同じものを描くことが困難な画材であえてパターンの実験を行う。
花という明確なモチーフが描かれることもある。なぜなら花のあり方も、パターンのあり方にとても近しい(同じ単位が反復される)からだ。
そうして、紙という薄い素材、ごく小さな画面の上で繰り広げられる、色と形の遊びのようなqpの作品は、ふたたび音楽の比喩を使えば、終わりのない練習曲のような印象を与えるだろう。
今回の個展に合わせ、作品集「紙の上の音楽」(DOOKS)が刊行される。
プロフィール
qp / キューピー
個展
2022 | 「紙の上の音楽」(Alt_Medium / 東京) |
2020 | 「2040年11月10日は土曜日である」(RC HOTEL 京都八坂 / 京都) |
「明るさ」(Alt_Medium / 東京) | |
2019 | 「セルヴェ」(パープルームギャラリー / 神奈川) |
2012 | 「私たちは夜です」(Black bird White bird / 京都 |
2011 | 「残す」(はちどり / 東京) |
2010 | 「頭部について」(東中野徒歩一 / 東京) |
2008 | 「灯台へ」(新宿眼科画廊 / 東京) |
2007 | 「それを見ている」(ガーディアン・ガーデン / 東京) |
他グループ展多数。企画した展覧会に「べつの星」(UTRECHT NOW IDeA / 東京)、作品集に「明るさ」(DOOKS)がある。
Website
http://instagram.com/qp_akarusa/
qp個展「紙の上の音楽」
2022年6月17日(金)~29日(水)
12:00〜20:00 ※木曜日休廊、最終日17:00まで