展覧会概要
田川基成は近年、故郷である長崎の海をテーマとした作品を発表。2022年日本写真協会新人賞を受賞するなど積極的な作家活動を続けています。Alt_Mediumで3回目の個展となる本展では、札幌をテーマとした新作の展示を行います。学生時代の6年間を北海道で過ごした田川は現在、記憶の中にある北海道を再びロードトリップしながら撮影を繰り返しています。この北海道全域を対象とした新シリーズの着想を得る以前、2016年頃から作家は雪に覆われた大都市、札幌の厳冬期の撮影を続けてきました。
九州の離島で育った田川が札幌に移り住んだ当初、長い冬と深い雪に囲まれる都市生活は「何から何まで新鮮な体験」だったと言います。やがて札幌で何度も冬を越すうちに、その風景は日常となっていきました。大学卒業後に東京に出て写真の道に進んだ本人は、ある冬、久々に真冬の札幌を訪れることになります。
年間降雪量が5メートルに迫る豪雪地帯でありながら、200万もの人が住む大都市は世界でも札幌だけであるという事実を知り、田川は改めてこの街に興味を持ちました。そして写真家となってはじめて見た冬の札幌の都市風景は、特別に印象深いものでした。その後、毎年厳冬期に氷点下の札幌を訪れ、日中、夜間を問わず写真機を持って雪の街を歩き撮影を続けました。
「そもそもなぜこんな雪深い土地に200万もの人が住んでいるのだろう。ここにいた頃は考えたこともなかった。日常だった風景。いま私はこの白に覆われた街を歩き、何気ない都市の景色を眺めておきたいと思った」(展示ステートメントより)
本展は数年後以降に完成を目指す北海道のシリーズの、いわば序章となるべき作品展です。
プロフィール
田川基成 / TAGAWA Motonari
写真家。1985年生まれ、長崎県の離島出身。北海道大学農学部森林科学科卒業。自身のルーツと、これまでに暮らしてきた土地や旅の経験を通し、移民と文化、土地と記憶などをテーマに作品を制作。「ジャシム一家」で第20回三木淳賞。故郷・長崎の海を巡る写真集『見果てぬ海』(赤々舎)で2022年日本写真協会新人賞を受賞した。現在は福岡県糸島市在住。
個展
2022 | 「五島」(たゆたう。 / 長崎) |
「見果てぬ海」(伊都郷土美術館 / 福岡) | |
2021 | 「NAGASAKI SEASCAPES」(Alt_Medium / 東京) |
「見果てぬ海」(HOGET / 長崎) | |
「見果てぬ海」(GALLERY ESSE / 札幌) | |
「見果てぬ海」(コクラヤギャラリー / 長崎) | |
「見果てぬ海」(ニコンプラザ大阪 / 大阪) | |
「見果てぬ海」(ニコンプラザ東京 / 東京) | |
2020 | 「Vernacular Churches」(Alt_Medium / 東京) |
2019 | 「ジャシム一家」(Nikon Salon / 大阪) |
2018 | 「ジャシム一家」(Nikon Salon / 東京) |
「ジャシム一家」(札幌市教育文化会館 / 北海道) | |
2017 | 「ジャシム一家」(Nikon Salon / 東京・大阪) |
受賞
2022 | 日本写真協会新人賞 |
2018 | 第20回三木淳賞 |
Website
https://www.motonaritagawa.com/
その他
田川基成 写真展「海の記憶 Memory of the Sea」
Date:2022年10月7日(金)〜16日(日)
Open:11:00 – 19:00(※最終日は17:00まで)
Location:gallery Y
〒305-0005 茨城県つくば市天久保1-8-6 グリーン天久保201(2F)
Tel:029-852-1930
詳細
https://galler15.wixsite.com/galleryy/田川基成写真展-海の記憶
田川基成 個展「SAPPORO SNOWSCAPE」
2022年10月7日(金)~19日(水)
12:00〜20:00 ※木曜日休廊、最終日17:00まで