原 杏奈 個展「mui」

2023年4月28日(金)~5月3日(水・祝)

展覧会概要

大学院を修了し丸6年が経過した。
その間、近しいところで(もしくは遠いところの)人が生まれ、人が亡くなりゆくのを眺めていた。

スピードを上げ、めまぐるしく流れるように変化を続ける周囲や社会に、
それでも変わることのない二重の風景を見出し、観察し、思考した結果を展覧する。

===

ステートメント

2017 年の個展「境界の所在」において、物事や事象のあいだに存在する境界を探り、再認識する
試みを発表した。境界は時に流動し、時に幻影であり、時に確固として動かぬものであった。

あれから 6 年が経った。
その間に、親しい間柄の人間が亡くなり、また新しい命が生まれてくる様を目の当たりにした。
子は成長する。
ベランダの植物も日々健やかに、四季折々多様な表情をみせる。
近所の用水路も天候により様相を変え、ハイウェイは曜日や時間帯で流れが異なる。

めまぐるしく変化を続ける周囲や社会に対して、私自身は何もできず、ただ日常を過ごした。

それでも私に構うことなく変化し続ける世界を眺めていると、変化の中にこそ、変わらぬ本質の
ようなものがあるのではないかと感じることがある。世界は二層、もしくは多層に重なり、
目に見える変化と、目に見えぬ本質は同じところにあるのでは、と。

mui というタイトルは、第一に無為から名付けた。
辞書的にはあるがままの状態を意味するが、仏教用語としての無為は不変の真理を指す。
アボリジニのドリームタイムや、アイヌのカムイモシリという概念。あるいは宮沢賢治が唱える、
ほんとうのさいわい。
この言葉は、彼らの思考と同質である。6 年前から考え続けている、境界の所在としても。

仰々しく言葉を連ねたが、結局のところ自身の無力さに焦り消沈しながらも、
目を閉じなかったという表明である

−原杏奈


プロフィール

原 杏奈 / HARA Anna

2015年多摩美術大学美術学部 日本画専攻卒業
2017年多摩美術大学 美術研究科絵画専攻 日本画研究領域修了


個展

2017「境界の所在」(藤屋画廊 / 東京)

グループ展

2022「階」新進日本画作家選抜展(銀座スルガ台画廊 / 東京)
2021「響」多摩美術大学日本画卒・修了生選抜展(銀座スルガ台画廊 / 東京)
2019「響」多摩美術大学日本画卒・修了生選抜展(銀座スルガ台画廊 / 東京)
2018「新春日本画七人展」(The Artcomplex Center of Tokyo / 東京)
2017「第40回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展」(国立新美術館 / 東京)
2016「1440」2016年多摩美術大学大学院 日本画研究領域2年生展(佐藤美術館 / 東京)

instagram

https://instagram.com/7gksv8

twitter

https://twitter.com/0G79XYZ


原 杏奈 個展「mui」

2023年4月28日(金)~5月3日(水・祝)
12:00〜19:00 ※最終日17:00まで


【お問い合わせ】

〒161-0033
東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
JR高田馬場駅徒歩7分(下落合二丁目歩道橋そば)
2-6-3, Shimoochiai, Shinjuku, Tokyo, 161-0033

TEL:03-5996-8350
MAIL:inquiry@altmedium.jp