2019年8月20日

「inubot」

展覧会概要 朝、犬は目を覚ましたら、両手を前についておしりを高らかに上げて、伸びをする。その動作を写真に撮って「おはよう」と声をかける。そして、両ほほから頭、背中と全身をなでて、最後に毛並みに鼻を寄せてひとつ息を吸い込む。犬はうちにやってきたときから突然かけがえのない存在になったわけではなく、ともに過ごしてきた時間のなかでそうなっていった。日常で、犬は大切なことを差し出してくれて、私は受け取ってきたように感じている。家族にカメラを向けるきっかけをくれたのも犬だった。 庭先に犬が寝ている光景も、寝顔も、鼻から漏れる寝息も、毛並みの触感も、なにひとつ取りこぼさずに覚えていたい。私の頼りない記憶力では出来そうにないから、今日も写真に託している。 −北田瑞絵