2020年11月10日

田川基成写真展「Vernacular Churches」

展覧会概要 長崎県の離島出身の写真家・田川基成は、自身のルーツや様々な土地で暮らしてきた経験から、移民と文化、風景と記憶などをテーマに作品を撮ってきました。 田川は2016年頃から、自身の故郷に目を向けはじめます。そして、約600もある島々の間を幾度にもわたって旅し、この海域をフィルムに写してきました。その対象は、風景から人物まで多岐に渡っています。 本展ではその「見果てぬ海」シリーズの中から、とくに長崎県の離島に多い「土着のキリスト教会」のありようを捉えた作品群を展示します。 === 長崎県の離島には約70のカトリック教会が存在します。その多くが、瓦や木材などを使った土地固有の建築様式で造られた教会です。古いものでは100年以上前に建てられ、地域の信徒によって代々守られてきました。 16世紀、この海域にポルトガル船が初めて来航すると、宣教師による布教が行われ、各地にキリスト教徒が増えていきました。江戸時代の禁教政策によって信徒の数は減りましたが、中には潜伏キリシタンとして隠れ、あるいは海を渡って弾圧を逃れ、信仰を後世に伝えた人々がいました。 それから250年以上が経った明治初頭。禁教 […]