2023年5月10日

佐々木かなえ 個展「風景は人間の顔のようなもの」

展覧会概要 変化が早い社会でなんとなく流れのままに生活していると、表面的な事しか認識していないような気分になることがある。その感覚をきっかけに、気になる事象をもとにして作品化を試みている。近年は現代社会と建造物に関連した作品を制作している。 本展のタイトルは、ジャン=リュック・ゴダール監督の「彼女について私が知っている二、三の事柄」で、主人公が語った言葉を引用している。1966年のパリは、首都圏拡張計画の一環で、公団住宅の大規模な建設工事が行われていた。この映画の主人公は、公団住宅で暮らす主婦。彼女の日常生活を描くことで、その背景にある社会問題を表現している。 普段なにげなく見ている建造物は、誰かが目的を持って作り上げたものだ。そこには人間の生活が投影されているのではないか。つまらないと感じる日常の景色も、あらためてよく見てみれば、惹きつけられるものがあると考えている。