2020年10月6日
展覧会概要 田近夏子は1996年生まれ岐阜県出身の新進作家です。田近は東京工芸大学芸術学部写真学科在籍中に、塩竈フォトフェスティバル2018に於いて本作「二度目の朝に」で写真賞大賞を受賞しました。 この度開催される同タイトルの展覧会は田近による初の個展となります。また、会場では塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞の副賞によって制作された初の写真集を発売いたします。 夏が始まるころ愛犬が亡くなったお風呂場は、奇しくも田近が3歳の頃に目の前で亡くなった祖父の最後と同じ場所でもありました。 愛犬の死を知らせる母からの連絡により、幼い頃の曖昧な記憶と今回の出来事が“お風呂場”を通して交わるように感じたと、田近は語っています。 本作からは身近なものを失っても流れゆく日々の中で、ふとした瞬間に、たゆたう記憶のきっかけを掴み取るような眼差しを感じさせます。 この機会にどうぞご高覧ください。 === 二度目の朝に 夏が始まる頃、実家の愛犬が亡くなった。息を引き取った場所はお風呂場。其処は3歳の私の目の前で祖父がなくなった場所だった。 前日までいたその場所から連絡がはいる。「30分ほど前になくなりました」 […]