2022年10月26日

田村虎之亮 写真展「Roznyja Inshjyja」

展覧会概要 かつて私は自己と他者について考えていたがすぐやめた。考えたところで他者は他者でしかないと思ったから。それと同時に目の前の風景はつまらない、或いは自分が興味を引いたものも他者から見たら大したことはないだろうと思うこともあった。目の前の風景はつまらなく見えるーーそれは自らを表しているようだった。ただ、そのつまらなさがいいと思うこともある。面白い、いや、つまらない。なんにもならないだろう。呪いともつかない、呪いにすらならないことを考えながら撮影した。 Roznyja inshjyja(ロズニィヤ・インシィヤ)とはベラルーシ語で「様々な他」を意味する。これは、ベラルーシ語がロシア語やウクライナ語に比べてあまり関心が持たれていないと言うことと、自分が今年の春にベラルーシを訪れたことがリンクして選ぶに至った。 ここに並べられている他者達の営みはやがて忘れ去られるかもしれないが、ただ、今だけは見ていてほしい。 2022年 田村虎之亮