2025年8月13日

山口光 個展「非同時性の肖像」

私たちが「自己」と呼ぶものは、果たして単一の時間軸に沿って、ひとつの像として存在しているのだろうか。それとも、それは絶えず分岐し、遅れ、歪みながら、複数の時間と文脈の中に断片化されているのではないだろうか。 本展では、異なる時間を内包する複数の映像装置を用いたインスタレーションを展開します。 それぞれ異なるタイムラグを持つモニターに浮かぶ像は、過去と現在がずれながら重なり合うことで視覚と記憶を揺さぶり、主体の輪郭を微かに曖昧にしていきます。不確かさから立ち上がる知覚の層は、私たちが「自己」と呼ぶものがいかにして構築され、また崩れていくのかを静かに浮かび上がらせます。