2021年1月7日
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2021年1月7日
展覧会概要 小松浩子は、写真において見過ごされてきた「物質性」を表現媒体として用いる制作を行ってきました。 壁のみならず床など展示空間全体を覆い尽くす小松の作品は、作品鑑賞における移動に伴い、床全面に敷き詰められた作品を否応なしに踏むという事態を生じさせます。このような体験は、写真の物質性と共に美術の展覧会において見過ごされてきた作品の「展示」と「保存・保護」といった矛盾した関係性を顕にしました。 今回の展示では、基本的に展示空間への入室を禁じて、展示場所の窓から作品を鑑賞するという発表形式を取っています。窓からは、出展作品である積み重なったロール紙が時間の経過とともに歪み、形を変えていくという変化を見ることができます。今回の取り組みは、「展示」と「保存・保護」といった矛盾した関係性を俯瞰する取り組みです。 === この度、金村修、小松浩子、篠田優による連続個展「error CS0246」を開催します。いまだ終息の目処が立たない新型コロナウイルスは、私たちの日常生活に大きな変化をもたらしました。感染予防対策として、物理的な接触を避けるために築かれる〈壁〉の存在は、ボーダーレスを […]
2020年7月23日
上映概要 映像表現の表層と深層「建築映画に気付くということは、物語や意味を中心に捉えた従来の映画の鑑方、語り方から自由になることだ。別の観方・語り方を発見することだ。/ マテリアル・サスペンスは映像の未だ名付けられていないある種の性質を指す。あえて言葉にすれば、スクリーンを破綻させかねないほどまでに物質性が横溢し、映像が毛羽立っているような感触のことだ。ぼくは自分の仕事を「物質試行」と呼び、それに順次番号を付けてきた(中略)最新作の「物質試行53KINO」は、言葉通りの「建築映画」出現の試みだった。」と建築家・鈴木了二は、著者「建築映画 マテリアル・サスペンス」(2013年/LIXIL出版)で記している。 鈴木了二は、主に商業映画から建築映画、マテリアル・サスペンスの領域を抽出したが、実験映画には、『中央地帯(1971年/カナダ/マイケル・スノウ監督)』や『ヴェネツィア時代の彼女の名前(1976年/フランス/マルグリット・デュラス監督)』など作品自体が建築映画、マテリアル・サスペンスの領域だけで成立しているものも多くある。しかし現在では、コンセプト、イメージ優先の作品が多く、かつての […]