2021年4月13日

横澤進一 個展「クサビノ」

展覧会概要 横澤進一は、個展やグループ展、写真集など精力的に発表を続ける写真家で、近年では写真家や画家によって構成されるグループ「FŪKEI」としても展示や出版など幅広く活動しています。 また、横澤はスナップ写真を主としながらも、猫を被写体に捉えた写真の評価も高く、日本人写真家による猫をモチーフとした写真を集め、Ibasho Gallery(ベルギー)など世界各地を巡回展示した「Neko Project」で最優秀賞を獲得するなど、評価を高めています。 本展覧会は2011 年に銀座ニコンサロンで開催された『煙野』以来、1 0 年ぶりの個展となります。生まれ育った埼玉を中心として、ひたすら歩き、撮る。横澤のそうした撮影プロセスは、カメラを手にした初めより一貫して変わることなく、本展で発表される近作においても続けられています。極めてストレートな表現でありながら、遠近感が消失したようなその画面は、そこに写る個々の要素が緊密に結合して生まれた、名付けがたいひとつの像が立ち現れているかのようです。 極めて具体的でありながら、見る者の内に抽象的なイメージを呼び起こすような写真群を、この機会にぜひご覧 […]
2019年1月22日

「FŪKEI」

展覧会概要 FŪKEI 想起  死はますます見え難いものになっているように思う。人は死なない、などと何処かで誰かが考え始めているんじゃないだろうか。 生きながらにして死んでいることを考えてないと、ちゃんと生きられないんじゃないか、そんな風に考えるのは自分だけではないと思うが。 元々一つのものを「生と死」の二つに分けて、そして対極的に扱う、この言い方に問題があるのかもしれない。「と」をとって「生死」、いや「死生」と言うのはどうだろう。存在とは死に向かっている限りにおいて生きているのだから。  光が当たれば影ができて、光が消えれば闇が訪れる。そんな当たり前のことすら頭で分かっているだけで、実感なんかないんだろう。 光の中で解き放たれ、ただひとつしかないFŪKEIを見たいのならば、光と影をちゃんと両方見ることだ。そして光が去ったあとの闇に想いをはせる事だ。  あなたがそこに見ている風景は、すぐとなりの人には存在しないかもしれない。いや間違いなく存在しない。 見たいのは風景だ。ただひとつしか存在しない風景。 ところでそこの自分、誰に向かって言ってるんだ? 〔出展作家〕坂本政十賜|門山大介|横澤 […]