2023年7月19日

若山忠毅 個展「パスとエッジ ー野生と園芸の地理学ー」

展覧会概要 田畑や雑木林が宅地や道路に変わる状況は日本の都市郊外においてどこにでも見受けられるだろう。 該当地域の自治体などは、土地に対する一定の条例や規制をかけて景観の保全を担保するものの、不動産デベロッパーの介在によって無秩序な宅地造成が進められてしまうのが実のところである。 こうした状況は土地固有の社会的背景を希薄化する要因であり美しさというものがまるでない。さらには土着的な規範のようなものを破綻させ、空間と空間の分断を促しているように思える。 もともとそこにあった風景に代わる空間の特性をパスとエッジという境界にまつわる要素を手がかりに撮影をする。すると現れてきたのは野生と人工の事物が入り混じった奇妙な均衡のうえに成り立つ風景であった。