2025年11月19日

鈴木敦子 写真展「Appear」

この度鈴木敦子個展「Appear」を開催いたします。鈴木はこれまで記憶の痕跡とその外側にある世界を交差する〝内と外〟の境界から生じる揺らぎを写真撮影を通して作品にしてきました。前作の「lmitation Bijou」では自己と不確かな社会を含む 世界に対しての〝真と偽〟を模索し、その問いかけは変容しながら続いています。 鈴木は自身の作品撮影に対して「撮るというより、その場に立ち会うという感覚に近い...」「そこにあっ た体験を受けとり、ちがうものに変換して記憶に回帰させていくような行為...」と述べています。体験とは人が生きていく中で記憶として積み重なっていく精神と身体のレイヤーであり、その重なりや身体に微かに残る痕跡を通して現在の世界を見つめる事は、鈴木の作品の起点において重要な要素となっています。 今作のタイトルの「Appear」とは〝姿を現す〟同時に〝内なるものが外に表れる〟という意味を持ち、作者の作品に一貫して含まれている記憶と現実世界の狭間のような情景が感じられます。 目の前に確かに在る対象を見つめ、そこから影響を受けた時にシャッターを切ることで、その存在(と不在)を写真に表出する 試みから立ち現れたイメージは、知覚の本質のみならず物事の原初を内包し、意味や情報が瞬時に変換されてしまうこの世界の在り方を問いかけるようでもあります。
2021年3月30日

鈴木敦子 写真展「lmitation Bijou」

展覧会概要 鈴木は1981年福井県生まれの写真家で、2008年に大阪ビジュアルアーツ専門学校写真学科夜間部を卒業。 これまで自身の体験とその外側にある世界を交差する〝内と外の境界線〟を感じさせる作品や、目の前に実在する対象を通して、その向こう側に見えてくる〝かつてその場所に在ったであろう記憶の痕跡や残像〟のようなイメージを撮影し、写真作品に投影してきました。 そんな中鈴木は、作品をつくり続けていく上で、自分にとって真実や大切なものは何かという疑問を抱くようになります。東京から故郷である福井に拠点を移す事をきっかけに、その問いを探る為、実験的にiPhoneのカメラで自身の身の周りの出来事を撮影し続け、Instagramのアカウントに〝Debris(破片)〟というタグをつけて写真を蓄積していきました。 2019年にその束を編集した写真集「Imitation Bijou」をDOOKSより刊行し、今回展示する作品はその写真集から選んだ写真になります。タイトルの「Imitation Bijou」は、「模造宝石(本物に似せてつくられた宝石)」という意味を持ちます。それは〝模造〟と提示したものに価値 […]