2022年9月28日

井上雄輔 個展「WINDOWS」

展覧会概要 人間の目というのはいい加減だ。窓を見ようとしたとき、人は窓という先入観を持って、それを見る。窓枠の形、壁の汚れ、ガラスの反射。それらはノイズとして、知覚の外へと追いやられ、イメージとしての窓を見る。 カメラには、そのようなフィルターは搭載されていない。シャッターを切ったとき、レンズから入った光をそのまま記録する。肉眼では見えなかったノイズは、写真になったとき、初めてその姿を現す。
2020年7月23日

上映会「material zone=物質地帯2」

上映概要 映像表現の表層と深層「建築映画に気付くということは、物語や意味を中心に捉えた従来の映画の鑑方、語り方から自由になることだ。別の観方・語り方を発見することだ。/ マテリアル・サスペンスは映像の未だ名付けられていないある種の性質を指す。あえて言葉にすれば、スクリーンを破綻させかねないほどまでに物質性が横溢し、映像が毛羽立っているような感触のことだ。ぼくは自分の仕事を「物質試行」と呼び、それに順次番号を付けてきた(中略)最新作の「物質試行53KINO」は、言葉通りの「建築映画」出現の試みだった。」と建築家・鈴木了二は、著者「建築映画 マテリアル・サスペンス」(2013年/LIXIL出版)で記している。  鈴木了二は、主に商業映画から建築映画、マテリアル・サスペンスの領域を抽出したが、実験映画には、『中央地帯(1971年/カナダ/マイケル・スノウ監督)』や『ヴェネツィア時代の彼女の名前(1976年/フランス/マルグリット・デュラス監督)』など作品自体が建築映画、マテリアル・サスペンスの領域だけで成立しているものも多くある。しかし現在では、コンセプト、イメージ優先の作品が多く、かつての […]