2024年12月4日

岩崎美ゆき 個展「むこうの海では、雨がふっている」

展覧会概要 今の私にとって写真をやること、写真とは 記憶でもなく、記録でもなく 自分の証明でもない 一枚を見ること全体を見ること 光景を撮って、見ること、組むことは、いつも同じ風や波のない船旅のようなもので楽しい 鑑賞者の得た感覚と、自分の感覚と、その移ろいを眺める
2023年12月6日

岩崎美ゆき 個展「なみまの再会」

写真家の岩崎美ゆきは東京を中心に活動し、近年は新作による展覧会の開催を着実に重ねています。 本展覧会は2019年の「この海は、泳ぐためではありません」から数えて4回目にあたるAlt_Mediumでの個展となります。 岩崎の作品はデビューより一貫して、直裁に風景を写しとる硬質なストレートフォトグラフィーによって構成されています。 深い被写界深度で撮影された写真は、画面の隅々までピントが合うことにより、かえってそれを見る者の眼差しを画面上に彷徨わせるようです。 また同時に、そのようにして撮られた岩崎の写真には、耳目を集めて特別に名指される土地や景観というよりも、普段には人々が何気なく通過してしまうような光景が写し留められています。 この度発表される写真展「なみまの再会」においても、岩崎は変わらない姿勢で制作に臨んでいます。 岩崎は写真を、単なる事物の写しではなく、見る者の記憶や経験との関係において立ち現れる場のようなものとしてとらえています。 そのとき撮影者と鑑賞者は、分け隔てられることもなく、新鮮にイメージを体験するのです。 平明でありながら、それゆえに言葉しがたい深みを感じさせる作品をこの機会にぜひご覧ください。
2021年11月23日

岩崎美ゆき 写真展「折りたためる海」

展覧会概要 写真家の岩崎美ゆきは東京を中心に活動し、近年は新作による展覧会の開催を着実に重ねています。 本展覧会は2019年の「この海は、泳ぐためではありません」から数えて3回目にあたるAlt_Mediumでの個展となります。 岩崎の作品はデビューより一貫して、直裁に風景を写しとる硬質なストレートフォトグラフィーによって構成されています。深い被写界深度で撮影された写真は、画面の隅々までピントが合うことにより、かえってそれを見る者の眼差しを画面上に彷徨わせるようです。 また同時に、そのようにして撮られた岩崎の写真には、耳目を集めて特別に名指される土地や景観というよりも、普段には人々が何気なく通過してしまうような光景が写し留められています。 本展覧会に寄せた文章からもわかるように岩崎は、写真が作者の内的なイメージの等価物へと収斂されることに抗い、それらを一種の開放的な「場」のようなものとして存在させることを試みているのです。 平明でありながら、それゆえに言葉しがたい深みを感じさせる写真群をこの機会にぜひご覧ください。 === 見えているのに理解できないものへの畏怖。見えているのに意識にのぼ […]
2020年11月24日

岩崎美ゆき個展「My Garden(2015-2020)」

展覧会概要 岩崎美ゆきは2018 年武蔵野美術大学映像学科を卒業。2017 年には第17 回「1_WALL」では奨励賞(増田玲選)を受賞。Alt_Mediumでは2019年に開催された「この海は、泳ぐためではありません」より2度目の個展となります。 岩崎はその場所に対峙し写すことと、その結果現れたものについて意識し思考を巡らせ作品を制作してきました。今回発表される作品「My Garden(2015-2020)」の舞台となったのは、岩崎の祖母、叔母、母と代々、女が手入れをしてきた実家の庭です。 ついに手を入れる人がいなくなり、文字通り“すべてを片付ける”事となった庭。その撮影行為は、岩崎にとって今まで手入れをしてきた女たちや、その女たちと庭に流れた時間、時代に思いを馳せるものではなく、ましてやこれから片付けが始まる庭への記録的行為でもありませんでしたが、岩崎は自ら撮影したその写真によって「私の庭」を感じたと話します。 記録や記憶と結びつきやすい写真というメディアにおいて、岩崎は鑑賞者の前にある「写真」と、そこに映る情景に思いを馳せようと試みる鑑賞者との関係性を「私の庭」から見つめています […]
2019年11月26日

岩崎美ゆき写真展「この海は、泳ぐためではありません」

展覧会概要 岩崎美ゆきは2018 年武蔵野美術大学映像学科を卒業。2017 年には第17 回「1_WALL」では奨励賞(増田玲選)を受賞。岩崎はこれまで撮影する場所に対してフラットな関係性を保ちながら、見ているようで見ていないものや、空間を提示しようと試みてきました。 岩崎にとってはじめての個展である「この海は泳ぐためではありません」で、岩崎は自身とは縁のない式根島を撮影しています。いまだ手つかずの自然を残しながらも、人為や天災によって徐々にその形をかえゆく土地を岩崎は、” 少し閉じながらも変わりゆく場所” と表現しています。そこに立っていた岩崎の風景と、そこに立っていない鑑賞者が見る” 写真に写った風景”。それぞれ対峙した際に生じる風景の揺らぎを、どうぞこの機会に御覧ください。 -Alt_Medium