2022年7月13日

川口 蓮 / 廣瀬 祥大「paradise」より

展覧会概要 動植物に関心の持つ同世代の作家、廣瀬祥大と川口蓮による展覧会。 廣瀬は「クニマス」が生息していた秋田県の田沢湖を収めた写真を展開する。クニマスは富国強兵を推進する国策や農業用水として引き入れられた玉川の酸性水に翻弄され、1940年を最後に姿を消した田沢湖固有のサケ科の淡水魚類である。 川口は福島原発事故後の避難指示区域で増殖したことが話題となった「セイタカアワダチソウ」を自作のマシンで動かすインスタレーション作品を制作する。
2022年5月18日

酒井結菜個展「のたうちまわる」

展覧会概要 生きていることを強く意識するときはあるだろうか。 忙しなくただ目の前のことをこなす日々では自分が地面にくっついてることも心臓が動いていることも気にすることはないだろう。(気にしていたらやっていけないので気にしない方が良い。) 指を切って初めて自分には指という細く別れたものが生えていて、その中には骨が通り肉が詰まっていて血が流れていることに気づく。 胃が痛くなって初めて自分の中には食べ物が通る袋があることを意識し、位置や大きさまで分かりそうなほどずっと動いて私という存在を生き物として動かしていることを知らしめる。 いつの日からかそんなことに惑わされ気にしないことができなくなり日常生活を送ることがつらくなったが、表現に変えることで、物として外に出すことで、人間であることを受け入れ、諦め、生きることに逆らわないようになった。 私の作品は作品という言葉も似合わないくらいただ私という人間が生きている間に残した跡の蓄積で外に排出したかった何かである。
2020年2月25日

「imshow」

展覧会概要  本展「imshow」は、写真、インスタレーションなどの表現からなる展覧会です。現在、「写真」という映像メディアはデジタル化やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の発展に伴い、写真家だけではなく多くの人にとって親しみやすいメディアのひとつとなりました。  写真は、基本的にはレンズが光を集約することで結ばれた像を切り取り、印画紙に焼き付けたものです。その際にレンズを対象へ向けるフレーミングは、写真家にとって技術であり思考そのものとして扱われてきました。そのため、フレーミングという行為は、撮影においては「画角」、編集では「トリミング」、「マスク」などそれぞれの段階で取り組まれます。つまりそれは、撮影時や編集時においても常に世界をどのように切り取るのかを重要視してきたことの表れです。  本展覧会名である「imshow」とは、コンピューターでイメージを表示させる際に用いるプログラミング言語です。本展では作家がどのように世界をみて、切り取り、またはどのようにイメージを作品として受け入れるのかという点に着目して、作品とドキュメントから展示空間を構成しています。  本展はこの […]