2025年1月5日

田代つかさ 個展「Ghost, my ghost.」

カメラを持ってふらふらと歩いていると、思っているより周りの人々は自分のことなんて視界に入れていないことに気付く。 知らない誰かの風景の一部として漂っているに過ぎない。そう思いながらその風景の中にひっそりと潜んでいるイメージを写真によって露わにする。 写真を通して現実と対面した時、初めてその異質さ、不安定さを知ることがある。 たまたま写り込んでしまった/知らないものが写ってしまったことへの恐怖か? その感覚に襲われた瞬間、これまで自分が信じていた認識は亀裂が入ったように、突如として頼りないものとなる。 不意打ちで見えていなかったものが見えてしまった瞬間は、幽霊(のようなもの)を見たかもしれない、と心臓が一気に冷えていく感覚と近い。 見ようとしていなかっただけで偏在している。そしてそれに気づく入り口というのは突然、事故のように訪れる。 その時見ているのは己の中の幽霊か?
2022年12月21日

田代つかさ 個展「スペクトラム・アナライザー」

展覧会概要 スペクトラム・アナライザーとは、通信機器や無線機器において高周波の歪みやノイズを測定するための機械を表す名称である。 目の前の事象にシャッターを切るのも、日々浮かび上がる言葉を使って現実からの逸脱を求めることも、カメラという機械で・または自身という媒体を使って現実に潜むイメージを希求する行為のように思えた。 (まだ)不可視なものを、身体を使って計測する。 見えていなければ存在しないということではない。