2023年5月10日
2023年5月10日
展覧会概要 変化が早い社会でなんとなく流れのままに生活していると、表面的な事しか認識していないような気分になることがある。その感覚をきっかけに、気になる事象をもとにして作品化を試みている。近年は現代社会と建造物に関連した作品を制作している。 本展のタイトルは、ジャン=リュック・ゴダール監督の「彼女について私が知っている二、三の事柄」で、主人公が語った言葉を引用している。1966年のパリは、首都圏拡張計画の一環で、公団住宅の大規模な建設工事が行われていた。この映画の主人公は、公団住宅で暮らす主婦。彼女の日常生活を描くことで、その背景にある社会問題を表現している。 普段なにげなく見ている建造物は、誰かが目的を持って作り上げたものだ。そこには人間の生活が投影されているのではないか。つまらないと感じる日常の景色も、あらためてよく見てみれば、惹きつけられるものがあると考えている。
2023年4月26日
展覧会概要 初めまして。佐藤茉優花といいます。大学を卒業して1年が経ちました。1年前私は自分のことが分からなくなって、正しく自分を評価したり、評価されたりすることが怖くて、就活のエントリーシートが書けなくて、みんなが入社式の日、することがなくて泣きました。自分が苦しくない生き方が出来るように、そう思って好きだった花を扱う仕事と、少しだけ自信のあった人を撮る仕事を始めました。色々寄り道しながらも、なんとか、生きているみたいで。あ、あんまり実感はないんですけど。でも昔よりは目に見えるもの全部が鬱陶しいとか思わなくなりました。あれはどうしてだったんだろうな。 いま、風が吹いていますか?吹いてなかったらあなたの吐く息でも。それはどこまで行くんだろうって考えると彼ら、身軽でいいなって思いませんか?今回はそんな展示です。柔らかい風が吹く春みたいな展示がやりたいです。初めて生花をインスタレーションに織り交ぜた作品や、写真のアーカイブ、撮り下ろしの写真など展示します。 質量保存の法則とか、人は死んだらどうなるのかとか、そういう難しいことは分かんないし、社会のためになるような研究テーマもないです。私は私 […]
2022年7月13日
展覧会概要 動植物に関心の持つ同世代の作家、廣瀬祥大と川口蓮による展覧会。 廣瀬は「クニマス」が生息していた秋田県の田沢湖を収めた写真を展開する。クニマスは富国強兵を推進する国策や農業用水として引き入れられた玉川の酸性水に翻弄され、1940年を最後に姿を消した田沢湖固有のサケ科の淡水魚類である。 川口は福島原発事故後の避難指示区域で増殖したことが話題となった「セイタカアワダチソウ」を自作のマシンで動かすインスタレーション作品を制作する。
2022年3月2日
2022年2月16日
展覧会概要 喋っている時、私たちはそれぞれの生活の出来事を持ち寄っている。得たものを共有したり言い出すタイミングを逃したりする。そこから大きなアイデアを閃くことがあるが、それは奇跡である。私たち2人が同じ空間に作品を置くことはその喋っている状態に近いかもしれない。そのなんでもないやり取りがリアリティと奇跡に繋がると信じている。
2021年9月28日
展覧会概要 私の幼少期の記憶は、自然の中で過ごした家族や友達との時間です。 未来を生きる人は、自分の利益の事だけではなく、美しい自然や仲間と繋がりを感じ、思いを寄せながら生きている人だと思います。私は古着や使われなかった新しい布を使用し、地球や自然に思いを馳せる事が出来る様な服を作りたいと思いました。その服を身に纏う事で木が植えられ、地球との繋がりを肌で感じられたり、それ自身が個人のアイデンティティになっていったら良いと思い、今回のコレクションを制作しました。 本展覧会における服の売り上げは、その一部が植樹活動に使用され、会場では実際に植えられる苗木も一緒に展示します。 ※苗木提供:認定NPO法人環境リレーションズ研究所
2021年3月9日
展覧会概要 蔡傳基(ツァイ チェンケイ)は銀塩写真の物質性に着目し、印画紙に花火を当てることで、その光と高温がどのような記録を残すか実験しています。このプロセスでは印画紙上に具体的なイメージが残るはずがないのにもかかわらず、多くの人たちがそこに生じた像をあたかも宇宙のように見たのです。 一方、デジタル写真の非物質性に着目したNigel Wong (ナイジェル ワン)はインターネット上にあるイメージをコードに変換し、プリントアウトしました。その結果大量の紙に記された文字列は、非物質的なイメージでもコードでもなく、まるで物質の塊のようにも見えてしまいます。 本展覧会では、イメージの生成について異なるアプローチを経て制作された作品を、同じ空間内で展示することによって、新たな対話の可能性を提示いたします。
2021年1月7日
展覧会概要 小松浩子は、写真において見過ごされてきた「物質性」を表現媒体として用いる制作を行ってきました。 壁のみならず床など展示空間全体を覆い尽くす小松の作品は、作品鑑賞における移動に伴い、床全面に敷き詰められた作品を否応なしに踏むという事態を生じさせます。このような体験は、写真の物質性と共に美術の展覧会において見過ごされてきた作品の「展示」と「保存・保護」といった矛盾した関係性を顕にしました。 今回の展示では、基本的に展示空間への入室を禁じて、展示場所の窓から作品を鑑賞するという発表形式を取っています。窓からは、出展作品である積み重なったロール紙が時間の経過とともに歪み、形を変えていくという変化を見ることができます。今回の取り組みは、「展示」と「保存・保護」といった矛盾した関係性を俯瞰する取り組みです。 === この度、金村修、小松浩子、篠田優による連続個展「error CS0246」を開催します。いまだ終息の目処が立たない新型コロナウイルスは、私たちの日常生活に大きな変化をもたらしました。感染予防対策として、物理的な接触を避けるために築かれる〈壁〉の存在は、ボーダーレスを […]
2020年10月20日
展覧会概要 昔から、買い物に行くことが好きだ。お店に行くと、必ず新しいものを発見することができる。欲しかったものが買えたときは天にも昇る気持ちになるし、好きなものを集める喜びもまた格別だ。ただ、買い物は楽しいことばかりではない。お目当てのものが売り切れていることもある。お財布の都合で何も買えないときだってあるし、余計なものを買ってしまって後悔することもある。そんなところも含めて、買い物は面白い。 今回は「買い物」の中でも特に楽しい「買う」「集める」という行為にスポットを当て、グラフィックを制作しました。最近買い物に行く回数が減ってしまった人にも、買い物で得られる高揚感を思い出して頂けたらと思います。
2020年2月25日
展覧会概要 本展「imshow」は、写真、インスタレーションなどの表現からなる展覧会です。現在、「写真」という映像メディアはデジタル化やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の発展に伴い、写真家だけではなく多くの人にとって親しみやすいメディアのひとつとなりました。 写真は、基本的にはレンズが光を集約することで結ばれた像を切り取り、印画紙に焼き付けたものです。その際にレンズを対象へ向けるフレーミングは、写真家にとって技術であり思考そのものとして扱われてきました。そのため、フレーミングという行為は、撮影においては「画角」、編集では「トリミング」、「マスク」などそれぞれの段階で取り組まれます。つまりそれは、撮影時や編集時においても常に世界をどのように切り取るのかを重要視してきたことの表れです。 本展覧会名である「imshow」とは、コンピューターでイメージを表示させる際に用いるプログラミング言語です。本展では作家がどのように世界をみて、切り取り、またはどのようにイメージを作品として受け入れるのかという点に着目して、作品とドキュメントから展示空間を構成しています。 本展はこの […]
2019年9月3日
展覧会概要 みなさんは、花が身近にある生活をしていますか?何もかもダメだった時、部屋に花を1輪飾るだけできもちがスッと落ち着き、周りがパッと明るくなりました。そんな花をもっと近く感じることはできないものか、とおもったのが始まりでした。この展示では、メンバーがそれぞれのやり方で「花との生活」を表現しています。 午睡=お昼寝 穏やかで明るい展示空間をゆったりとお楽しみください。夏の終わりに、待っています。 === わたしたち→多摩美術大学3年生 グラフィックデザイン学科・プロダクトデザイン学科・工芸学科ガラス専攻・日本画科の4名です。
2019年4月2日
展覧会概要 「夢寐」それは寝ている間に夢をみること。人はなぜ夢を見るのか。睡眠と夢というのは密接に関係していて、眠っている間に情報を整理したり記憶を定着させたりしている。 夢はその記憶の集まりから映し出されたもので、その時の心理状態などが関係しているとも言われている。 普段は気にも留めないようなことでも改めて夢に出てくると妙に気になったり、何かのメッセージなんじゃないかなんて思ったりすることがある。そんな通りすぎた日常に転がっている些細なこと、でも潜在意識にすり込まれていることをテーマにした展示です。 ギャラリー内を夢の中とし、インスタレーションで表現します。自分自身の記憶に寄り添いながら観ていただけたら嬉しいです。
2018年6月5日
2017年12月12日
展覧会概要 私は今回、シミュレーション、サンプリングといった方法論で制作した作品を発表します。 私の制作にとって、「隠語」や「メタファー」について、「シミュレーション」、「サンプリング」という方法論は重要な要素となっています。それはおそらく学童期から聴いているヒップホップミュージックと日本の美術史に由来しています。前者で例を挙げると、特に影響を受けたのは「キエるマキュウ」「BUDDHA BRAND」という日本のヒップホップユニットです。彼らの歌詞は、仲間内にしか通用しないことばや、優れたメタファーなどがしばしば採られています。 そしてブッダのメンバーであるD.L.に代表されるトラックを作る際サンプリングの元ネタを隠す態度が粋で格好いいなと思っています。「隠語」、「メタファー」、「サンプリング」はこの文脈で出会います。私はそれらに強く惹かれ、自分の制作態度も決定されていきました。 今回の作品を構成する素材は、美術史とミュージックから選択されています。元ネタは、私との会話の中で明かされるかもしれません! 作品が私独自の連想によって派生し、出来上がる空間をぜひご覧ください。