2024年9月25日

金子佳代 個展「MONTAGE」

『paper works 』というシリーズ作品を2019年に発表した。79枚のドローイングの切り抜きが透明な袋に入っていて、箱の中に重ねられている。観るひとが上から一枚ずつ手に取り、隣の箱へそっと移動させながら順に観ていく…という展示方法だった。壁面にぱあっと展示すると、シリーズをいっぺんに俯瞰できてしまう。この作品ではそうせずに、シリーズの中にあるグルーヴやひらめきをじっくり巡っていく時間を作りたかった。  複数のショットを組み合わせて、時間、空間、意味の連続性を超えた表現を作りだす映画制作技術を“モンタージュ”という。この言葉に出会ったとき、あ、これだ。と思った。わたしがあのとき試みたことはたぶん、モンタージュだった。  このたび『paper works 』 をDOOKSの視点で編集した『MONTAGE 』を出版いたします。わたしはこの機に『paper works 』を材料に、新しいコラージュを制作しました。  この展示は、ひとつのシリーズ作品から再び生まれたそれぞれの新作を、同時に観ていただけるという企画です。 金子佳代
2023年9月27日

金子佳代 個展「A VIEW BEYOND」

展覧会概要 生い立ちを知らない絵を引き取り、手を加えた。 絵を木に例えるならば 剪定程度から、大掛かりな伐採、接木、植え替え 種をもらって別の鉢で新たに育てるなど あの手この手を施して、その絵の先を見ようとした。 絵具がひび割れ始めた古い絵も、新鮮な空気と水を吸うと 思わぬ方へ伸びていった。
2021年8月31日

金子佳代個展「floaty」

展覧会概要 *これらのモチーフをわたしは探さなかった、向こうから、ぽっと現れてきたものだった。なんでもいいようで、でも、なんでもいいわけではまったくなかった。・・57作品のドローイング「floaty」。このシリーズを収録した作品集を制作しました。 *目の前にある制作途中のものをよく見ていると、次の展開をひらめく。 ひらめきに翻弄されてあれこれした末、何もなくなってしまった大きな馬の絵があった。その馬の首だけは、隣で描いていた人魚の絵に移植されて、残った。ゆくゆく人魚の首にするために、馬の絵を描いたのではなかった。なかったけれども、なってみれば、そのようにするために描いたように見えた。 制作をしているとき、気まぐれな風に飛ばされるビニール袋のように、軽く、遠く、わけなどわからない方まで飛んでいきたいと願っている。たとえ着地した場所から振り返れば、その軌跡は必然だったとしても。・・ドローイングを切り抜き、立体的なコラージュにした作品などを展示します。 *
2020年9月22日

金子佳代個展「collage some」

展覧会概要 金子佳代は東京を中心に制作と発表を継続している画家・作家です。近年ではその作品が書籍の装丁に用いられるなど活動の幅を広げ、更に去る2020年8月には東京・渋谷homspun 横stripe roomで個展「Shell & Without shell」を開催し精力的に作品を発表しています。 Alt_Mediumでは二回目の個展となる本展覧会「collage some」では、トレーシングペーパーにドローイングを貼り加工した後、その作品に潜んでいるストーリーを考えて描いたシリーズ作品「paleorange storys」や、青と黄色の小さなトレーシングペーパーを市松模様のようにコラージュした「Patchworking」、古い紙を黄色く塗って描いた「Yellows」などで、会場を構成します。イメージを一枚の紙上で、もしくはイメージの描かれた紙同士を、実際につぎはぎした作品群に潜む金子の世界をこの機会にぜひご覧ください。