2026年6月4日

久保田智樹 写真展「ASHIO 2010/2011」

本展は、故郷である足尾銅山の情景を長年にわたって記録してきた中から、昨年の「ASHIO 2008/2009」に続く初期の作品として、2010年・2011年に撮影した写真で構成いたします。 足尾は、かつて日本有数の銅山として栄えた歴史とともに、公害という負の側面も深く刻まれた場所です。私にとってこの地は、そうした公の歴史と、自分自身の個人的な記憶や時間が重なり合う場所でもあります。煙害により岩肌を晒した山々や、閉山後に朽ち果て草木に覆われた社宅、鉱山施設の廃墟。それらを15年以上にわたって繰り返し撮影する中で、この地が歩んできた歳月の重みや人々の営み、そして現代の日本が直面する現実を静かに見つめてきました。 本シリーズは、今後も数年分ごとの作品を順次展示していく予定です。私が見つめてきた足尾の風景を通して、過ぎ去った時間、あるいはその先に続く何かを、それぞれの心で感じ取っていただければ幸いです。
2025年6月18日

久保田智樹 個展「ASHIO 2008/2009」

展覧会概要 久保田智樹は、自身の故郷である足尾銅山の情景を長年にわたって写真に収めてきた写真家です。2008年より足尾での撮影を重ね、2022年には初の個展「ASHIO」(IG Photo Gallery / 東京)を開催。本展は、それに続く二度目の個展となります。  写真家・橋口譲二氏は「心は競争ではないのだから、表現は競争ではない」という趣旨のことを語っており、それは久保田の制作活動において大切にしてきたことの一つです。内なる視点から、久保田は足尾という場所を見つめ、自身の写真のあり方を考えてきました。 今回の展示は、初期の作品である2008年と2009年に記録された写真によって構成されています。今後、数年分ごとの作品を順次展示していく予定です。  かつて東松照明をはじめとする写真家たちが足尾を訪れ、その光景をカメラに収めました。久保田が自身の故郷を写真の主題として捉え始めたのは、そうした時代の熱気が過ぎ去り、足尾への人々の関心が薄れて久しい頃のことです。久保田の意識に深く刻まれた情景の一つに、鈴木清の写真集『修羅の圏』(私家版、1994年)に描かれた足尾の姿が […]