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2020年12月12日

First three-year plan / 第一次三カ年計画(2020-2023) Tatekawa Kiyoshiro film collection 6

アーティストステートメント 三次元の世界を二次元の映像に変換し、プロジェクターで再び三次元の世界へ還元する。この上映会は、二次元と三次元の間を探る試みである。上映会は撮影され再び二次元の映像へ変換される。この変換作業は繰り返し行われる。 上映作品(5作品46分) ・Part 29 紗景 / 9分 / 2020・Part 30 射面 / 10分/ 2020・Part 31 増速 / 12分 / 2020・Part 32 写映 / 7分 / 2020・Part 33 焦移 / 8分 / 2020
2020年12月1日

飯田鉄 個展「ひかりの秤 EPIPHANIA」‐庭園試論‐

展覧会概要 これまで都市の建築物や街のデティールなどを端正な視角で切りとり、加えて時間のニュアンスを巧みに掬い上げる写真などで高い評価を得ている作者ですが、今回は飯田鉄が撮影に本格的に取り組み始めた、1970年代のモノクロームのスナップショットを中心にした展示です。アルカイックな様式性を帯びたもの、静謐な叙情性に富んだもの、さらにはいささか破調も見られるものなど、瑞々しさが溢れる初期の飯田作品を展示いたします。
2020年11月24日

岩崎美ゆき個展「My Garden(2015-2020)」

展覧会概要 岩崎美ゆきは2018 年武蔵野美術大学映像学科を卒業。2017 年には第17 回「1_WALL」では奨励賞(増田玲選)を受賞。Alt_Mediumでは2019年に開催された「この海は、泳ぐためではありません」より2度目の個展となります。 岩崎はその場所に対峙し写すことと、その結果現れたものについて意識し思考を巡らせ作品を制作してきました。今回発表される作品「My Garden(2015-2020)」の舞台となったのは、岩崎の祖母、叔母、母と代々、女が手入れをしてきた実家の庭です。 ついに手を入れる人がいなくなり、文字通り“すべてを片付ける”事となった庭。その撮影行為は、岩崎にとって今まで手入れをしてきた女たちや、その女たちと庭に流れた時間、時代に思いを馳せるものではなく、ましてやこれから片付けが始まる庭への記録的行為でもありませんでしたが、岩崎は自ら撮影したその写真によって「私の庭」を感じたと話します。 記録や記憶と結びつきやすい写真というメディアにおいて、岩崎は鑑賞者の前にある「写真」と、そこに映る情景に思いを馳せようと試みる鑑賞者との関係性を「私の庭」から見つめています […]
2020年11月10日

田川基成写真展「Vernacular Churches」

展覧会概要 長崎県の離島出身の写真家・田川基成は、自身のルーツや様々な土地で暮らしてきた経験から、移民と文化、風景と記憶などをテーマに作品を撮ってきました。 田川は2016年頃から、自身の故郷に目を向けはじめます。そして、約600もある島々の間を幾度にもわたって旅し、この海域をフィルムに写してきました。その対象は、風景から人物まで多岐に渡っています。 本展ではその「見果てぬ海」シリーズの中から、とくに長崎県の離島に多い「土着のキリスト教会」のありようを捉えた作品群を展示します。 === 長崎県の離島には約70のカトリック教会が存在します。その多くが、瓦や木材などを使った土地固有の建築様式で造られた教会です。古いものでは100年以上前に建てられ、地域の信徒によって代々守られてきました。 16世紀、この海域にポルトガル船が初めて来航すると、宣教師による布教が行われ、各地にキリスト教徒が増えていきました。江戸時代の禁教政策によって信徒の数は減りましたが、中には潜伏キリシタンとして隠れ、あるいは海を渡って弾圧を逃れ、信仰を後世に伝えた人々がいました。 それから250年以上が経った明治初頭。禁教 […]
2020年10月27日

ルーク・クラウチ個展「空の旅の思い出」

展覧会概要 空の旅の思い出 羽田空港のJAL工場見学〜 SKY MUSEUMでは、1970年代から現在までの日本航空の歴代制服が展示されている。展示ケース内の制服は、各時代の流行のスタイルを反映しており、時代の古いものは特に非実用的だ。制服を着たマネキンはみな解剖学的に不自然だ――ありえないほど細身で、手足は異常に長く、頭部は卵型をしている。マネキンのポーズはどれも似かよっているが、手足が変な角度に曲げられているものもあり、全く同じではない。黒のパンプスを履いているマネキンもあるが、大半が裸足で、展示方法のちぐはぐさも目立つ。特に、最近注目されている日本企業のヒール靴着用規定やそれに反対する#kutoo運動を踏まえると、マネキンが靴を履いていないことに驚いた。今年4月、日本航空は新制服を導入し、女性従業員に対するヒールの着用規定を廃止した。5月にはANAが日本航空に続いて同様の変更を行った。 これらの一連の出来事は、羽田空港の東西滑走路発着の新しい飛行ルートの開設と重なった。新規路線開設・増便は、2020年に東京での開催が予定されていた夏季オリンピックによる観光客の増加を見越したものだ […]
2020年10月20日

山口崇多個展「shopping」

展覧会概要 昔から、買い物に行くことが好きだ。お店に行くと、必ず新しいものを発見することができる。欲しかったものが買えたときは天にも昇る気持ちになるし、好きなものを集める喜びもまた格別だ。ただ、買い物は楽しいことばかりではない。お目当てのものが売り切れていることもある。お財布の都合で何も買えないときだってあるし、余計なものを買ってしまって後悔することもある。そんなところも含めて、買い物は面白い。 今回は「買い物」の中でも特に楽しい「買う」「集める」という行為にスポットを当て、グラフィックを制作しました。最近買い物に行く回数が減ってしまった人にも、買い物で得られる高揚感を思い出して頂けたらと思います。
2020年10月10日

First three-year plan / 第一次三カ年計画(2020-2023) Tatekawa Kiyoshiro film collection 4

展覧会概要 簡単に言語化できる映像は自立していない。一方的で安易なイメージに包まれ自立する強度が足りないからだ。  映像は本来、自立する強度を有しているが、作家の意図を介入させることで脆弱になる危険がある。作品制作とは、この危険との戦いである。  作家とは何を成すべきか、何を成す者が作家か。映像は自立しなければならない。 上映作品(6作品45分) ・Part 18 反復 / 9分 / 2020・Part 19 暗揺 / 8分/ 2020・Part 20 画差 / 8分 / 2020・Part 21 降昇 / 5分 / 2020・Part 22 画引 / 7分30秒 / 2020・Part 23 滅線 / 7分30秒 / 2020 
2020年10月6日

田近夏子個展「二度目の朝に」

展覧会概要 田近夏子は1996年生まれ岐阜県出身の新進作家です。田近は東京工芸大学芸術学部写真学科在籍中に、塩竈フォトフェスティバル2018に於いて本作「二度目の朝に」で写真賞大賞を受賞しました。 この度開催される同タイトルの展覧会は田近による初の個展となります。また、会場では塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞の副賞によって制作された初の写真集を発売いたします。 夏が始まるころ愛犬が亡くなったお風呂場は、奇しくも田近が3歳の頃に目の前で亡くなった祖父の最後と同じ場所でもありました。 愛犬の死を知らせる母からの連絡により、幼い頃の曖昧な記憶と今回の出来事が“お風呂場”を通して交わるように感じたと、田近は語っています。 本作からは身近なものを失っても流れゆく日々の中で、ふとした瞬間に、たゆたう記憶のきっかけを掴み取るような眼差しを感じさせます。 この機会にどうぞご高覧ください。 === 二度目の朝に 夏が始まる頃、実家の愛犬が亡くなった。息を引き取った場所はお風呂場。其処は3歳の私の目の前で祖父がなくなった場所だった。 前日までいたその場所から連絡がはいる。「30分ほど前になくなりました」 […]
2020年9月22日

金子佳代個展「collage some」

展覧会概要 金子佳代は東京を中心に制作と発表を継続している画家・作家です。近年ではその作品が書籍の装丁に用いられるなど活動の幅を広げ、更に去る2020年8月には東京・渋谷homspun 横stripe roomで個展「Shell & Without shell」を開催し精力的に作品を発表しています。 Alt_Mediumでは二回目の個展となる本展覧会「collage some」では、トレーシングペーパーにドローイングを貼り加工した後、その作品に潜んでいるストーリーを考えて描いたシリーズ作品「paleorange storys」や、青と黄色の小さなトレーシングペーパーを市松模様のようにコラージュした「Patchworking」、古い紙を黄色く塗って描いた「Yellows」などで、会場を構成します。イメージを一枚の紙上で、もしくはイメージの描かれた紙同士を、実際につぎはぎした作品群に潜む金子の世界をこの機会にぜひご覧ください。
2020年9月1日

鈴木康士個展「understairs bell」

展覧会概要 イラストレーター / クリエイター鈴木康士の新作イラストを中心とした7年ぶりの創作個展。小さめのアナログ作品や気持ち大きめな出力作品など。販売も予定しています。あえてテーマもタイミングもなく場当たり的な創作を悩んで楽しむ個人企画です。
2020年8月22日

First three-year plan / 第一次三カ年計画(2020-2023) Tatekawa Kiyoshiro film collection 2

アーティストステートメント このイベントは、空間・映像・音により触発されるインスピレーションを獲得することを目的とした実験上映会である。完成作品を鑑賞する上映会では無い。 上映作品(6作品50分) ・Part 6 持続 / 9分 / 2020・Part 7 定点 / 9分/ 2020・Part 8 動点 / 10分 / 2020・Part 9 速差 / 6分 / 2020・Part 10 融合 / 11分 / 2020・Part 11 空間 / 5分 / 2020
2020年7月23日

上映会「material zone=物質地帯2」

上映概要 映像表現の表層と深層「建築映画に気付くということは、物語や意味を中心に捉えた従来の映画の鑑方、語り方から自由になることだ。別の観方・語り方を発見することだ。/ マテリアル・サスペンスは映像の未だ名付けられていないある種の性質を指す。あえて言葉にすれば、スクリーンを破綻させかねないほどまでに物質性が横溢し、映像が毛羽立っているような感触のことだ。ぼくは自分の仕事を「物質試行」と呼び、それに順次番号を付けてきた(中略)最新作の「物質試行53KINO」は、言葉通りの「建築映画」出現の試みだった。」と建築家・鈴木了二は、著者「建築映画 マテリアル・サスペンス」(2013年/LIXIL出版)で記している。  鈴木了二は、主に商業映画から建築映画、マテリアル・サスペンスの領域を抽出したが、実験映画には、『中央地帯(1971年/カナダ/マイケル・スノウ監督)』や『ヴェネツィア時代の彼女の名前(1976年/フランス/マルグリット・デュラス監督)』など作品自体が建築映画、マテリアル・サスペンスの領域だけで成立しているものも多くある。しかし現在では、コンセプト、イメージ優先の作品が多く、かつての […]