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2023年9月27日

金子佳代 個展「A VIEW BEYOND」

展覧会概要 生い立ちを知らない絵を引き取り、手を加えた。 絵を木に例えるならば 剪定程度から、大掛かりな伐採、接木、植え替え 種をもらって別の鉢で新たに育てるなど あの手この手を施して、その絵の先を見ようとした。 絵具がひび割れ始めた古い絵も、新鮮な空気と水を吸うと 思わぬ方へ伸びていった。
2023年7月26日

リー・オタワ 個展「(still life)s」

展覧会概要 「静物画」は “still life” と訳される。 「静物画」というジャンルにとくに執着は無いけれど、“still life” という言葉の響きは、「ただ生きている。」、「じっと生きている。」、「まだ生きている。」、「静かに生きている。」といったニュアンスを伴って、自身の頭の片隅にとどまり続けている。 だからどうということもなく、当たり前のように、言葉は「絵」に追いつかない。 それでも日々、 何かを見えるものにしようとしたり、何かを触れることのできる形にしようとする欲望や行為は、 ひとつの単語だったり、頭の中をかすめては繰り返し戻ってくるようなフレーズだったり、 ごくごく個人的な領域で、ささやかに発熱し続けているような、 わざとらしくない、 いくつかのシンプルな言葉と関係している、という実感がある。 そんな言葉のひとつが、自身にとっては “still life” という言葉なのだろう。
2023年6月14日

qp個展「花の絵」

展覧会概要 qpは2000年代中盤より活動を始め、現在はおもに画家として制作を行っている。 「明るさ」(2020年)、「紙の上の音楽」(2022年)に続くAlt_Mediumでの個展「花の絵」(2023年)は、タイトル通り花をテーマとしている。 「明るさ」以降、水彩画が制作の中心となっているが、qpの水彩画は筆を極力使用せず、スポイトや紙の切れ端を用いる独自の手法である。今作「花の絵」では、筆を使わない技法がさらに徹底されている。 また花を描く際、現実のそれを見て写すことはせず、即興的に描写される単純な図形を組み合わせ、重ねられ、花に見立てられる。花は、多くの場合ただ一輪ではなくいくつも描かれる。いくつも描かれること、並べることによって生まれる音楽的なリズムに関心を向ける。 野生の花は、風や虫によってたまたま種が運ばれ、ランダムな場所に咲き群生していくが、qpの花も、野生のような作為のなさで紙を埋める。そうして、紙の上に散らばった花の色と形が響き合いながら、喜びを湛えた小さな世界を作るだろう。 今回の個展に合わせ、作品集「花の絵」(DOOKS)が刊行される。
2023年5月3日

原 杏奈 個展「mui」

展覧会概要 大学院を修了し丸6年が経過した。その間、近しいところで(もしくは遠いところの)人が生まれ、人が亡くなりゆくのを眺めていた。 スピードを上げ、めまぐるしく流れるように変化を続ける周囲や社会に、それでも変わることのない二重の風景を見出し、観察し、思考した結果を展覧する。 === ステートメント 2017 年の個展「境界の所在」において、物事や事象のあいだに存在する境界を探り、再認識する試みを発表した。境界は時に流動し、時に幻影であり、時に確固として動かぬものであった。 あれから 6 年が経った。その間に、親しい間柄の人間が亡くなり、また新しい命が生まれてくる様を目の当たりにした。子は成長する。ベランダの植物も日々健やかに、四季折々多様な表情をみせる。近所の用水路も天候により様相を変え、ハイウェイは曜日や時間帯で流れが異なる。 めまぐるしく変化を続ける周囲や社会に対して、私自身は何もできず、ただ日常を過ごした。 それでも私に構うことなく変化し続ける世界を眺めていると、変化の中にこそ、変わらぬ本質のようなものがあるのではないかと感じることがある。世界は二層、もしくは多層に重なり、目 […]
2022年11月16日

ムラカミナナミ 個展「なまえを まだ つけられないでいる」

展覧会概要 壊れそうなものをみた  風に吹かれゆらり    景色が歪んだ 転がっている塊を    蹴っ飛ばすとふにゃり  遠くへ行った 寝転んで目をすぼめた  さらさらと流れて    消えてった
2022年10月5日

佐藤絵梨 個展「淡々」

展覧会概要 家の前が河川敷になっている。草花や虫や鳥、散歩やジョギングをする人々、様々な生き物が行き交い、暮らしている。天候や季節の移り変わり、草の刈り取りや工事。自然の力や人間の手によって日々変動するこの場所を見ていると時間は何事もなく進むという至極当たり前のことを強く感じる。この河川敷に暮らす生き物と私の関係性には名前などなく、適切な言葉も思い浮かばない。ただそこにあるということが何物にも耐えがたいと思う。
2022年8月17日

なるめ 個展「オルタナ」

展覧会概要 なるめはピクセルアートの手法を用いる作家であり、1ピクセル幅の線にこだわった切れ味のいい輪郭やポップなキャラクター、鑑賞者の心に訴えかける情景が特徴の作家です。 なるめの作品の多くはデジタルイラストであり、ミュージックビデオへのイラスト提供や電子コミックなど、いずれもがディスプレイで鑑賞することができます。しかし、それらはデジタル作品でありながらリアルの場で鑑賞することでしかその魅力を十二分に体験することはできない不思議な作品となっています。 ディスプレイ上で作品の細部を見るためには作品を俯瞰的に見ることと引き換えに拡大しなければなりません。なるめの作品は、そこに描かれた情景はもちろんのことですが、それを構成するドットの美しさも大きな魅力であり、リアルの場に現れた作品は「木を見て森を見る」ことが出来ないデジタル空間とは全く異なる鑑賞体験を見るものに与えるのです。 なるめの個展は2021年12月より8か月振りとなりますが、その間の様々な制作や漫画連載を通じ、その作品は着実に進化しています。これまで「ピクセルアートの枠」を意識しピクセルアートの作法を「守」ってきたなるめですが、 […]
2022年6月29日

qp個展「紙の上の音楽」

展覧会概要 qpは2000年代中盤より活動を始め、現在はおもに画家として制作を行っている。 2年前の個展「明るさ」(Alt_Medium)で発表された作品は、独自の手法を用いた、手のひらに乗るような小さなサイズの水彩画であった。今回の個展「紙の上の音楽」では、それ以降に描かれた新作が発表される。 今作において前面に出されたテーマは、絵における音楽の表現である。 同じ形を並べることによって生成されるリズム。どのような色を、どのような比率で組み合わせるかで変化するハーモニー。全体像を顧みず、瞬間の描画にまかせて生み出されるインプロヴィゼーション。 筆を使わない描画法も特徴的で、その手法によって描かれた丸や半円などの形を並べ、重ねることによって、装飾的な画面が作り出される。また水彩という、にじみが出来、同じものを描くことが困難な画材であえてパターンの実験を行う。 花という明確なモチーフが描かれることもある。なぜなら花のあり方も、パターンのあり方にとても近しい(同じ単位が反復される)からだ。 そうして、紙という薄い素材、ごく小さな画面の上で繰り広げられる、色と形の遊びのようなqpの作品は、ふた […]
2022年4月6日

Alexandra Eastburn+EETY「Music From A Spiral Corridor」

展覧会概要 本展覧会は、テネシー州メンフィスを拠点に活動するアーティストであるアレクサンドラ・イーストバーンと、東京にて一般社団法人MEWO (メオ)を設立したデザイナーデュオEETYによる作品展です。 イーストバーンはパンデミック下において、 メンフィスの一軒家に籠もり黙々とドローイングを描き溜めては、自身の生活の糧を得るためにSNSを通じて販売していました。彼女にとって、 描くことは自身を癒やすことであり、 薬の役割を果たすもの、自分が今ここにいる理由に意味をもたらすための本能的な方法だと言います。 イーストバーンのアメリカ国外における初めての展覧会となる本展では、両者の出会いのきっかけとなったスパイラル・ドローイング(渦巻きの集まりで構成されたドローイング)の数十点をはじめ、 活動初期のペインティングも展示、 一部販売いたします。また、EETYがコスチュームジュエリーの伝統的な技術「線加工」や「よせもの」の職人と共に、スパイラル・ドローイングを再構築したジュエリーの展示、受注販売をいたします。 本展は一般社団法人MEWO による初めてのプロジェクトとなります。この機会にどうぞご高 […]
2022年3月9日

ムラタナナ個展「ROUNDUP」

展覧会概要 修士課程修了作品展として人生初の個展を行います。“ROUNDUP”は英語でまとめという意味です。大学4年生から大学院2年通い、卒業するまでの制作まとめとしての展示です。作品も全てその期間に作られたものです。シルクスクリーンやリソグラフなどで制作をしながら”唯一性”とはなにか、考えながら自分らしく制作しました。
2022年2月16日

寺平花 / 中野菜々花 二人展「しゃべってる」

展覧会概要 喋っている時、私たちはそれぞれの生活の出来事を持ち寄っている。得たものを共有したり言い出すタイミングを逃したりする。そこから大きなアイデアを閃くことがあるが、それは奇跡である。私たち2人が同じ空間に作品を置くことはその喋っている状態に近いかもしれない。そのなんでもないやり取りがリアリティと奇跡に繋がると信じている。