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2017年11月14日

片山高志個展「EMPTY EMPIRE」

展覧会概要 現代社会の中では意味のないものが排除され、決まり切った価値観に沿った物事であふれている。個人による自律的で自由な思考は、あらかじめひかれたレールに沿うことを強いる社会の中で硬直していく。それはつまり、自らの問いに向かうことを忘れ、探求心や想像力を失っていくことと同義であろう。わたしは常々、当たり障りのないありふれたイメージよりも、打ち捨てられたような風景や、誰も目を向けないような無意味な風景に触れた時に心が動かされる。 それは言葉にしがたく、とりとめのない光景ではあるが、言葉にならない新鮮な感覚を喚起させてくれる。そしてその光景は、誰でもが受け入れ安いようにお膳立てされたイメージとは決定的に異なる。 その私の中に起こった新鮮な感覚を、絵画という方法で表そうとすることは、伝統と様式にからめとられていくようであり、矛盾を感じざるを得ない。しかし、その矛盾にはあえて解を示さず、問を宙づりにしたままの状態を、絵画として表象したい。 −片山高志 === 本展覧会「EMPTY EMPIRE」によせた文章において片山は、意識/無意識を問わず私たちを絡めとる制度や計画性からこぼれ落ちたかの […]
2017年10月31日

東京工芸大学写真学科視覚コミュニケーション研究室「ひとり旅」

展覧会概要 「ひとり旅」は東京工芸大学 写真学科 小林紀晴率いる視覚コミュニケーション研究室のゼミ生12人と先生1人による展示です。4年生であるゼミ生にとっては、今年が最後の夏休み、1人1人が何かを求めてひとり旅に出ました。普段生活している世界から1人離れ、目にしたもの、得たもの感じたものを展示しています。 どうぞご覧ください。 ※展覧会冊子を無料配布します。(先着順) どうぞご覧ください。
2017年10月24日

「Assembling Infinity_03」

展覧会概要 statement of Assembling Infinity 「Assembling Infinity」は一つの試みでもあります。それぞれの作家の個性(境界)がAlt_Mediumという場を媒介(Medium)として触れ合い、そこに何かの変化をもたらすことへの密やかな実験です。ある意味で偶然に出会った作品同士によって、予期できない場や空気が現れることを期待しています。 −Alt_Medium
2017年10月17日

瀬戸健太個展「東京にいます。」

展覧会概要 夜の東京をあてもなく彷徨いながら写真を撮るのが好きだ ただ撮るという行為が好きだ何かを伝えたい訳でも表現したい訳でもないただ撮るという行為が好きなのだそう思っていた しかしそうして撮った写真を後に見ていると無作為に撮っていたつもりでいてもそこには何か統一性の様なものがあり、ただ撮るという行為の中で自分は無意識に何かを表現したいのではないかと感じた それは夜の街並みなのか、そこにいる人々なのか、それとももっと違った他の何かなのか それが一体何なのか自分はまだ見つけられずにいる
2017年10月10日

河野裕麻個展「ずっときみのゆめをみていた」

展覧会概要 河野裕麻にとって絵画はメッセージなのかもしれない。言葉に当てはめてしまうには何だか居心地の悪い感情、それを線や色として発すること。充たされていながら、ときにまだ空白で。 まさに心模様という言葉のようだ。 −Alt_Medium === 捨てようと放っておいた紙の断片の形が面白く、テーマを持たずに絵を描き始めました。テーマらしいものはなかったはずだけど出来上がっていく絵には何かが入ってる。その絵は、細胞のような細かさで心の断片のような鋭利さを持つ。数々の衛星が一ヶ所にたくさん集まって、大きなエネルギーに変わったように見えたり。私はこれが私の心の風景なのだな、と驚きます。誰も知らない未開の宇宙みたいで、無限に広がるわけのわからないものの集まり。目に見えるものではないけれど、確かにそこにあるもの。そういったものをこれからも描いていきたいです。 −河野裕麻
2017年10月3日

桑沢デザイン研究所羽金ゼミ写真展「感情 / 温度」

展覧会概要 この度桑沢デザイン研究所羽金知美ゼミによるグループ展「感情 / 温度」を開催します。今回のタイトルになっている 感情 / 温度 は、どちらの言葉も人の気持ちの浮き沈みを表すために使用される言葉です。写真を撮っていくことで、その目に見えない”浮き沈み”を可視化することはできないだろうか? 10名それぞれが捉えた「感情 / 温度」をこの機会に是非ご覧ください。
2017年9月24日

「KURODA MISATO SHOP」

展覧会概要 この度 Alt_Mediumではご購入いただいたクロダミサトの作品を、その場でお持ち帰り頂けるSHOP 形式の展覧会と、クロダミサトが毎日撮影し後日プリントかデータをお送りする写真館イベントを開催いたします。 展示作品は会期中随時入れ替わりますので、見逃してきたクロダミサトの作品を改めてご覧いただけます。 この機会にどうぞご覧ください。 Alt_Medium
2017年9月14日

中村悠希写真展「入水前夜」

展覧会概要 私は写真に、自らのリアリティの獲得を希求します。 日々、膨大な映像の享受によって、希釈された肉体。この肉体にとってのリアルとは、一体何なのか。それは、何のエピソードも持たない、ただ光と影から成っている男と女であるように思います。 視覚も、触覚さえも光のように擦過していく。その感覚に、リアリティが在ると感じています。
2017年9月5日

榎本聖美 衣装・写真展「Touch」

展覧会概要 自身初となる個展で、衣装と写真の展示を行います。植物で染色した布を使用し製作した衣装。自然の中で踊り、写真に収めることで動きが見えてくるのです。自然に触れ、身体に触れ、踊る。
2017年7月11日

倉谷卓個展【後期】「雪の白さに目が眩んで」

展覧会概要 【後期】「雪の白さに目が眩んで」 倉谷卓 (KURAYA Takashi) は塩竈フォトフェスティバルのグランプリ受賞やTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD での審査員賞受賞などで注目される気鋭の若手作家です。 Alt_Medium にて今回展示される倉谷の二つの新作は、どちらも携帯電話に備わったカメラ機能によって撮られた写真をベースとしています。自らが撮影者ではない写真を扱うその手つきはユーモアでありながらも、鋭い批判性を含んでいます。どちらの作品も現在の私たちにとって身近な存在である携帯電話(スマートフォン)やアプリケーション /SNS というツールを用いて、私たちにとって最も見慣れた(と思いこんでいる)自身の姿を、被写体としています。しかしその表現は、日常における私たちの写真への関わりの中に隠された、ある種の暴力性を浮 かび上がらせるものでもあります。 そこには、ごく身近であるが故に意識し難くも、私たちの現在の生に繋がる多くの問いを見出すことが可能でしょう。 この機会にぜひともご覧ください。 === 倉谷卓個展「Your Camera is My C […]
2017年7月4日

倉谷卓個展【前期】「(Self) Portraits」

展覧会概要 【前期】「(Self) Portraits」 倉谷卓 (KURAYA Takashi) は塩竈フォトフェスティバルのグランプリ受賞やTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD での審査員賞受賞などで注目される気鋭の若手作家です。 Alt_Medium にて今回展示される倉谷の二つの新作は、どちらも携帯電話に備わったカメラ機能によって撮られた写真をベースとしています。自らが撮影者ではない写真を扱うその手つきはユーモアでありながらも、鋭い批判性を含んでいます。どちらの作品も現在の私たちにとって身近な存在である携帯電話(スマートフォン)やアプリケーション /SNS というツールを用いて、私たちにとって最も見慣れた(と思いこんでいる)自身の姿を、被写体としています。しかしその表現は、日常における私たちの写真への関わりの中に隠された、ある種の暴力性を浮 かび上がらせるものでもあります。 そこには、ごく身近であるが故に意識し難くも、私たちの現在の生に繋がる多くの問いを見出すことが可能でしょう。 この機会にぜひともご覧ください。 === 倉谷卓個展「Your Camera i […]
2017年6月27日

篠田優個展 「ひとりでいるときのあなたを見てみたい」

展覧会概要 篠田優は日本で活動している写真家です。 2013 年の塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞を受賞し、その副賞として2015年には写真集「Medium」を発行しました。 それに伴い東京を皮切りに、関西や東北、海外での展示活動も精力的に行っています。 また2016年よりオルタナティブスペース「Alt_Medium(オルトメディウム)」を立ち上げ、運営に参加しています。 本展覧会「ひとりでいるときのあなたを見てみたい」では、事物やそこに絡み合う光を直截に捉えた写真とともに、篠田によって綴られたテキストが展示されます。 それらは互いに反響し、写真やそれを見る者の在り方を静かに問います。 この機会に是非ご覧ください。 −Alt_Medium === :光が刻一刻と変化する。私の網膜に結ぶ像は静止しない。かつてあった光の物象化は、全てが変化し、失われていくことを伝える。 :光の触知としてあなたが在った。 篠田優「ひとりでいるときのあなたを見てみたい」より
2017年6月13日

木原千裕写真展「それは、愛?」

展覧会概要 被写体として映り込むのは、袈裟を纏いあどけなくも麗しい女性。彼女と出会い、交際した二年半のあいだ、シャッターを切り続けた。凜とした僧侶の顔、寝る時の素顔、指で触れた顔や手、身体。そして、涙を流す横顔。彼女を撮り続けた。 “女”と“女”が付き合うことが不自由な世界にあって、彼女たちの恋は、ちいさな光だった。 展示総数80枚を超える写真には、”セクシュアルマイノリティ”や”LGBTQ”といった現代社会で謳われる単語の概念を超えた、被写体に対する純然な愛情が浮かび上がる。 そこにあるのは、生身の人間と人間が向き合い、時にはぶつかり合い、ていねいに愛を育み過ごした日々の記録であり、おおげさではなく、世界を変える叫びである。