2018年12月2日
2018年12月2日
展覧会概要 嶋田篤人は第一回GSS フォトアワードでのグランプリ受賞をはじめ、近年目覚ましい活躍をみせる写真家です。モノクロームの銀塩写真のみを用いたその作品は、徹底して削ぎ落とされた形式でありながら、豊かな意味を喚起させます。そして、単に美的な階調表現に留まることのないそのイメージは、写す者と写されるモノが互いを触発しあうような関係性を、観る者に感じさせます。嶋田が、静けさを湛えた印画によって提示するその試みは、自己と世界への探求と言い換えることも可能でしょう。 この機会にぜひご覧ください。 === その旅路、私は何かに出会うことを待っている。房総半島で写真を撮る。私はここで写真を撮ることが好きだ。半島の終わりある道や、歩いては行けない海、佇むモノたちはまるで年輪を重ね待っているように見える。私は立ち止まる。私を立ち止まらせたものは何か。絶対的な存在感でいて、しかし何者でもない何か。ファインダーを覗き、それが再び現れるのを待つ。「待つ」は「祀る」の由来という説がある。シャッターの裏側、フィルムは露光を待ち、潜像が現像を待つ。ファインダーで見えているモノの向こう側に何かが見えた時、私は […]
2018年11月20日
展覧会概要 statement of Assembling Infinity 「Assembling Infinity」は一つの試みでもあります。それぞれの作家の個性(境界)がAlt_Mediumという場を媒介(Medium)として触れ合い、そこに何かの変化をもたらすことへの密やかな実験です。ある意味で偶然に出会った作品同士によって、予期できない場や空気が現れることを期待しています。 −Alt_Medium === 〔出展作家〕Studio Moriva|伊藤彰|木村皇貴|武藤裕也|吉原料人|
2018年11月6日
展覧会概要 2017年から開始したこのプロジェクトでは、関東平野の周囲を沿うように東京の郊外から山間部へと至る一帯をロードトリップしながら撮影を行っています。 これまでに北関東エリアを中心に、2020年の東京オリンピックを目前にして再開発が進む東京都心とは反対に、時代に取り残され廃墟化したバブル時代の施設、近代化や高度経済成長の名の下に乱開発され環境が破壊されたまま放置された鉱山跡地や石切り場、国をあげての公共工事として現在も進行中のダムの工事現場と周辺の景観、見慣れたはずの幹線通り沿いで不意に目にとまった奇妙な光景などを記録してきました。 東京周辺のいわば境界的なエリアに対して、まずその土地の地理や地質的観点からアプローチし、 近代以降の文化、歴史、政治、経済などの諸側面を踏まえて調査を行う中で、作品制作においては西部開拓期からウォーカー・エバンスらによるFSA、ソーシャルランドスケープ、ニュートポグラフィックス、ニューカラーへと至るアメリカのドキュメンタリー写真の系譜がもっていた批評性や方法論を参照しています。 すでに映画や写真、TVやインターネットの映像など様々なメディアを通して […]
2018年10月16日
展覧会概要 或る夜、家の外に出て⽬に⼊ってきたのは⼀灯の街灯の光で、夜にもかかわらず、その周辺は明るかった。 近づくと明るさが視界を占領し、街灯の奥にひろがる空に何があるかはわからなかった。真っ暗闇の⼭を登る時、遠くの⽅に街の光がみえてくると安⼼するように、電気による光がない頃の夜に星がみえた時、⼈は安堵感を覚え、何を想ったのだろうか。 私はいま昼間に星を眺めてみる。
2018年10月9日
展覧会概要 東京工芸大学 バライタファインプリントゼミ展 銀塩での制作では自ずと時間を意識することになります。瞬時には画像が表れず、現像やプリントを経て写真となる。感情やモノも時間が経過することで、完成されていくのではないでしょうか。 時との関わりが銀塩写真を際立たせていきます。 時は重ねるのではなく、積み上げていくものでしょう。 3年生でモノクロバライタプリントを選択した学生の作品展です。ご高覧ください。 〔出展作家〕朝田建成|猪又治斗|奥谷悠人|笠谷有香|ZHU LONGXIANG|CHANG ISO|NIE SHAN|鈴木冬生|ZHANG QI|ZHANG RUIQI|中﨑大河|福岡咲陽子|柳香穂|WENG YUXIN|有澤世理佳|和泉匠|田中 仁|
2018年9月30日
展覧会概要 古野達也は「TIFF Open competition」(ポーランド)や「塩竈フォトフェスティバル2018 写真賞」にて特別賞を受賞するなど、近年活躍が著しい若手写真家です。私たちは日常、事物をそれぞれ名付けられた(言葉によってフレーミングされた)ものとして、そして、それらの集合を世界として扱っているのではないでしょうか。そうした中で古野の作品は、カメラのフレームを用いて、そのような認識を中断し、世界を「見慣れない」ものとして出現させる試みともいえるでしょう。そのためそこに写される事物の姿は、簡単に名付けられることを拒むかのような、どこか不安な在り方をしています。しかし、そのイメージは同時に、「見慣れた」印象から解放された、静けさにも似た新鮮さを湛えています。写真というメディウムへのしたたかな思考を持つ作家の試みを、この機会にぜひご覧ください。 −Alt_Medium === 『実 在』見えているものと、感じるもの、二つによって生じた空隙が埋まらず、確かに見てはいるが、その実感を得られない時がある。その状況に没頭していると、その空隙こそが、形のある生き生きとした存在のように […]
2018年9月6日
展覧会概要 阿部祐己は長野県出身の若手写真家です。Alt_Mediumにおける本展はepSITE(東京・新宿)にて開催される「Trace of Mountain」との同時開催となります。2014年三木淳賞受賞作「新しい家」をはじめとして、阿部の作品の多くは出身地である長野県にて撮影されています。どの作品も、刻々と変化する自然の姿を雄大に捉えながらも、そこには、点景のように小さく微かであっても、人の存在と営みの痕跡が確かに記されています。阿部の作品は、レンズの前、其処に在る自然を通じて、此処に在る自然としての私たち、人間を再考させます。 -Alt_Medium === Trace of fog” 霧ヶ峰”は名前の由来通り、しばしば濃い霧が立ち込める山だ。霧に覆われると境目が消え、どこまでも先に続いているような錯覚を覚えた。かつて、山には巨大なスキー場が存在していた。2つのジャンプ台を抱え、冬季オリンピックの候補地にもなったという。さらに遡ると、ここは山一面が狩り場だった。800年前に武士が腕を競った狩猟祭は鎌倉幕府が主催した大規模なもので、草原に残る社跡で行われる神事が、その名残を現在ま […]
2018年8月21日
展覧会概要 それぞれの心情や葛藤ある年齢に達したときの悩みや不安を写真で表し額を使ったインスタレーションで構成していく写真展。 〔参加作家〕須藤 駿介|キタガワダイスケ|山口|馬渕 明望里|
2018年7月24日
展覧会概要 自分が過ごしている時間、相手は自分の知りえない時間を過ごしている。私は彼女の見ていた景色を知らない。彼女も私の見ていた景色を知らない。これまで、そのような時間を果てしない数経てきた。今後も、そのほとんどを知り得ることなく過ごしていく。その時間は積み重なり、同じ人間であるはずの私たちは、まるで違う生物かのように違う意思を持つ。 〔参加作家〕横山 渚 / 安藤 夏海
2018年7月17日
展覧会概要 写真は通常正確な現実世界として反映されるが、私たち三人の写真は日常と哲学の会話、生活の断片と内面とのつながりを通じて、写真が持つ本質的なに属性を突破しながら制作を試している。本展では三人によって思想と情緒の一つ一つの切片として、表現の形から、内心とレンズの連動、アートジャンルの境界線を曖昧な写真技法までの写真群である。鑑賞者に 超現実的な体験を与えようとしている。 〔出展作家〕趙 夢穎|張 子璇|袁鑠涵|
2018年7月10日
展覧会概要 篠田優は東京を拠点に活動する写真家です。本展では2017年、銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロンにて発表された「See/Sea」から継続して撮影されている、三浦・房総という二つの半島に残された、海防のための遺構を主なモチーフする写真群の新作を発表いたします。 江戸・幕末期の砲台跡や、太平洋戦争時の洞窟陣地を巡る作者の歩みは、現在の土地における水平的な移動とともに、大海のような深みを持つ歴史を垂直的に重ね見る、旅のようです。本展「航跡図」は、その軌跡を示す、現在進行形の写真群やテキストによって構成されます。 どうぞご高覧ください。 −Alt_Medium === 洞窟の中ほどには幾つもの石が在った。そのどれもが、開口部からの光をその半面に受けていた。正午を迎えようとする太陽の光は、砲台跡に、草木の影を黒々と落とした。積層を貫くように、光によって繋がれているのだろうか。 −篠田優
2018年6月26日
2018年6月5日
2018年5月29日
展覧会概要 「PENTALOGY」と題した本展は、個性豊かな5人の作家によるグループ写真展です。 作品制作における過程や写真へのアプローチの方法が異なる5人の作家。それぞれの作品が1つの展示空間で繊細に重なり合いながらPentalogyを作りだします。