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2021年9月28日

佐藤友浩個展「Cycle of rebirth」

展覧会概要 私の幼少期の記憶は、自然の中で過ごした家族や友達との時間です。 未来を生きる人は、自分の利益の事だけではなく、美しい自然や仲間と繋がりを感じ、思いを寄せながら生きている人だと思います。私は古着や使われなかった新しい布を使用し、地球や自然に思いを馳せる事が出来る様な服を作りたいと思いました。その服を身に纏う事で木が植えられ、地球との繋がりを肌で感じられたり、それ自身が個人のアイデンティティになっていったら良いと思い、今回のコレクションを制作しました。 本展覧会における服の売り上げは、その一部が植樹活動に使用され、会場では実際に植えられる苗木も一緒に展示します。 ※苗木提供:認定NPO法人環境リレーションズ研究所
2021年9月21日

佐治みづき・水野 咲 二人展 「ポップコーンの香りがしてる」

展覧会概要 絵描きである佐治みづきと水野 咲が初の二人展を開催します。二人は、多摩美術大学グラフィックデザイン学科2017年卒の同級生です。本展では「鳥」を共通のテーマとし、各々が制作をしました。 私が飼っていた鳥は青梗菜が大好きで林檎のことは怖がっていました。鳥という存在は、思っているよりもずっと私たち人間のそばにいると思います。それぞれの営みの中で鳥と人がふと交わる場面を描きました。(佐治みづき) 私が飼っていた鳥は目が爛々と輝いていて、嘴は常に静かに笑ってるみたいな形をしていました。今回は「はばたき」という連作で感情がぎゅうっと濃縮され時間の流れが変わる瞬間を描きました。(水野 咲)
2021年9月14日

田中菫個展「鱗粉」

展覧会概要 うつくしさは粒のかたち。どぶの奥底に埋められている。泳げない人が水泳の時間にするのは、ゴム製の宝石を集めること。少女は毎晩悪夢を見る。夢の中で彼女は埃になる。ある朝目覚めると背中に羽が生えていた。エメラルド色の大きな羽。歩くと羽が壁にぶつかるけれど、怪我はしないし痛みもない。鼻を近づけると黒糖のにおい。今日からこいつと一緒に生きる。羽をたっぷり揺らせる広いお家に住もう。畳に落ちたりんぷん。すだれの隙間から差す光の粒。
2021年8月31日

金子佳代個展「floaty」

展覧会概要 *これらのモチーフをわたしは探さなかった、向こうから、ぽっと現れてきたものだった。なんでもいいようで、でも、なんでもいいわけではまったくなかった。・・57作品のドローイング「floaty」。このシリーズを収録した作品集を制作しました。 *目の前にある制作途中のものをよく見ていると、次の展開をひらめく。 ひらめきに翻弄されてあれこれした末、何もなくなってしまった大きな馬の絵があった。その馬の首だけは、隣で描いていた人魚の絵に移植されて、残った。ゆくゆく人魚の首にするために、馬の絵を描いたのではなかった。なかったけれども、なってみれば、そのようにするために描いたように見えた。 制作をしているとき、気まぐれな風に飛ばされるビニール袋のように、軽く、遠く、わけなどわからない方まで飛んでいきたいと願っている。たとえ着地した場所から振り返れば、その軌跡は必然だったとしても。・・ドローイングを切り抜き、立体的なコラージュにした作品などを展示します。 *
2021年8月24日

桑沢デザイン研究所 羽金知美ゼミ展「日々続く道」

展覧会概要 この度桑沢デザイン研究所 羽金知美ゼミによるグループ展「日々続く道」を開催いたします。私たちの人生は先の見えない長い道です。私たちは3年間という学生生活のほとんどを2020年から続く異常な日々の中で過ごすことになりました。しかし写真を撮っていく中で、目の前にある日常の些細なことの積み重ねが私たちそれぞれの道を紡いでいることに他ならないと考えるようになりました。 今起きていることもいずれは長い道のりの途中で起きた些細な出来事になるのかもしれません。私たち7名が歩み続ける中で見つけた軌跡をご覧ください。
2021年8月17日

姫野顕司 個展「PERSEUS」

展覧会概要 姫野顕司は東京を中心に活動する写真家であり、本展覧会が姫野にとってはじめての個展となります。 これまで実直に街区での撮影活動を続けてきた姫野ですが、そうした活動はつねに写真という媒体への問いによって裏打ちされてきたといえます。本展覧会のタイトル「PERSEUS」とは、三次元的な事物を平面化することで成り立つ写真を、それぞれが異なる距離に位置する星を同一平面上で仮想的に結びつけることで成立している星座への類比として捉えることから導き出されたものです。 写真は被写体が再現前するような幻惑的なものではなく、あくまで現実に存在する事物の断片を形骸化したものであると述べる姫野の思考は、本展覧会に出展される大型のコラージュ作品からも看取することができるでしょう。 弛まず続けられた撮影行為と思考から構築された、姫野にとって初の展覧会を、この機会にぜひご覧ください。
2021年7月20日

オカモトメグミ個展「HOSE PIPE TUBE」

展覧会概要 作っている最中は筒なのに、作り終えると穴は塞がれ、空気(と作者の何かしらの気)が包み込まれた(紛れこんだ?)物体になってしまう。 必ず入り口と出口があって、何かを行き来させるための風通しの良い道具であるそれらとは、私の作るものは全く違うものであると気づいてしまった! アパートの一室から生まれたものを展示。陶土を用いた立体と空間。
2021年6月13日

塚本一花個展「さとうみず」

展覧会概要 レストランに、両親と来ていた子が、ご飯を食べ終わり、暇な時、水とガムシロップで 遊びはじめました。夏の中、その場所を見ると別の時間が流れているようで、絵に描き ました。今回は、自分が展示会場へ行けないことをきっかけに、展示場所の設置・撮影を写真家 の仁科さんに、撮影を幡野さんに依頼し、撮影のみ行いました。氷は中央冷凍産 伊藤さんへ編んだ毛糸をお送りし、制作していただきました。ギャラリー内で、氷を薄くカットしていただきました。額縁は作家の林友子さんに折り紙の銀色みたいにぴかぴか作っていただきました。
2021年6月8日

飯田鉄 個展「あかるいかげのくに」

展覧会概要 2019年の「球体上の点列」、2020年の「ひかりの秤」に続く、当オルト・メディウムにての3回目の個展となります。今回の展示は、これまでの飯田作品のモチーフである街景・建築物などから離れ、象徴的な意匠を積み重ねて新たな写真世界をつくりあげています。繁茂する植物、海浜、空と雲、庭の一隅など、様々に撮影された作品群はきわめて鮮明でありながら、同時に謎を隠しているようにも感じられます。今回並べられた撮影作品を見渡すときに、画像のあからさまな明瞭さと同時に、何処かもどかしいような印象をも伴う不思議な展示となっています。 2020年にギャラリー・ニエプスで開催された写真展「美徳の譜」にも繋がる、ゆっくりと変容する飯田鉄の新作展をご覧いただければ幸いです。
2021年5月25日

小山貢弘個展「芽吹きの方法」

展覧会概要 小山貢弘は東京綜合写真専門学校研究科を卒業したのち、現在まで東京を中心に実直な発表活動を続けています。小山がレンズを向けてきたのは、活動の初期より一貫して、河川の流域やそこに繁茂する植物に対してでした。大型カメラを用いて得られた緻密な画面は、過剰な主観的表現が抑制されており、観る者の凝視を求めているようです。2018年以来、3年ぶりの個展となる本展覧会においても、小山が弛まずに撮り続けてきた土地や植物の姿が並びます。安易な一瞥においては差異の見出し難いそれぞれの写真は、一時たりとも変化を止めない事物の直截な記録であるとともに、小山にとっては来るべき新たな写真実践を創出するための実験の場でもあるのです。 この機会に是非ともご覧ください。 === 芽吹きの方法無数の小径がある。それは、人が通った跡なのか、獣のそれなのかは定かではない。そのうちの一本を辿って藪の中を歩き続けると、ようやく水の音が聞こえはじめる。 山梨県から東京都、そして神奈川県へと流れる多摩川には、都市部を流れる一級河川であるにもかかわらず、中流域でも護岸化されていない場所が多い。そのため河川敷には整備された土地 […]
2021年5月10日

「人間臭さを勝ち取るための実践」

展覧会概要  一人では生きていけない集団生活の習性を持つ人間にとって「他人」との繋がりは、生の根本的なモチベーションであると同時に、すべての感情の源であるに違いない。「他人」との繋がりを構成する最小単位でありながら究極的な目的地として、私たちは「家族」のことを考える。‍ 本展覧会に出展する3人のアーティストはそれぞれ、日本と韓国で90 年代初期に生まれ育ったクィア当事者という共通点を持っている。3人は生きてきた環境は違うものの、クィア・カルチャーにおいて保守的と言われる東アジアで、自身をクィアとして認識した過去の経験を共有している。さらには、結婚適齢期を迎え、周りの友人から結婚の知らせをよく耳にする歳になったにもかかわらず、未だに社会のシステムから恵まれず、結婚とは縁遠い生活を強いられる現実も共有しているのだ。‍ 夫になること、お父さんになること、気の置けない人と共に暮らし「家族」を持つこと。これらの極めて素朴な願いに違和感を感じざるを得ない社会の中で、私たちはこの共通意識を何らかの「形」に移す実践を試みる。これは一人のアーティストである以前に、一人の人間として、悩み続けた過去から新た […]
2021年4月27日

榎本祐典個展「Yamabiko」

展覧会概要 榎本祐典は東京造形大学デザイン科写真専攻卒業後、2016年「砂塵が過ぎて」(Place M)や2019年「Around」(オリンパスギャラリー)など精力的に展覧会開催を重ねるほか、作品が清里フォトアートミュージアムに収蔵されるなど、現在まで着実な業績を重ね続けている気鋭の写真家です。デビューより一貫してスナップショットで制作されるその作品は、静謐かつ堅牢な画面構成とは裏腹に地道な歩行を伴った弛むことのない身体作業の成果でもあります。 本展覧会では2019年から奥多摩に取材した新作「Yamabiko」を発表いたします。決して特異な風景ではないのだけれども、何者かに見られているようなある種の「怖さ」を榎本はその場所と写真から感じるといいます。土地と写真家との名づけ難い交感を記録した写真群をぜひご覧ください。